日本人の死因の上位に入る自殺。これについて完全な対策はできていない。
しかし、少しでも改善することはできるだろう。
自殺に限らず意外なところに解決策はあるかもしれない。
そう考えて、自殺率の高い秋田県のデータから自殺予防法のヒントを提案した人がいる。
自殺率が47都道府県中ズバ抜けて高い秋田県の統計を分析することが、生きやすい社会を作る政策立案に役立つと思うんだよな。 pic.twitter.com/wjzNMTuRDy
— ぽきお (@pk_kroger) August 3, 2019
なるほど。確かに自殺率の多い県の統計を分析することは、自殺予防に効果的かもしれない。
しかし、これでは不十分だと思ったよ。
今回は、より統計的に正しい自殺予防法を考えていくよ
(以下、統計はことわりの無い限り都道府県別統計とランキングで見る県民性より引用しています)
なぜ秋田の統計だけでは自殺予防にならないのか
秋田以外の地域も考慮すべし
上で示されているような、『秋田県の統計だけ見て判断する』のがマズイ理由をまずは説明しよう。
一言で表現すると、秋田県の統計だけでは何がもっともまずいかわからないからだ。
例えば、秋田県で高いといわれている一つに学力がある。
では学力が高いと自殺するのかというと、必ずしもそうではない。
例えば、全国学力テスト正解率1位の石川県(秋田は2位)は47都道府県中で41位。むしろ自殺が少ない県だ。
つまり、自殺率の高い秋田県の学力が高いからといって、学力の高さが自殺率と関係しているわけではなさそうだね。
このように、秋田県の統計だけで見てしまうと、本当は関係ないものまで自殺の原因と誤解してしまう。
それを防ぐために、相関性を使っていくよ。
相関関係を比較しよう
相関関係とは
学力が自殺率の原因だと勘違いしにようにするために使うのが相関関係だ。
これは、ある数値と別の数値とがどのくらい関係しているかを表す指標だ。
関係が強ければ強いほど1または-1に近づき、無関係だと0になる。
また、一方が上がれば他方も上がる場合はプラスに、一方が上がれば他方が下がる場合はマイナスになるよ。
たとえば、県民所得と県民総生産の相関係数は0.9で強い正の相関関係がある。
生産性が高い地域で働く人は給料が高いよね。
逆に、日本共産党得票率(2017年)と自民党得票率(2017年)の相関係数は -0.67
共産党が強い地域は自民党が弱い。これもまたうなずけるね。
このように、納得できる相関もあれば、「なぜここにこんなに強い関係が?」と思うような関係もある。
そういうのは『めぐりめぐって』関係していることがおおいのだけれど、今回はそういった相関関係を主に見ていくよ。
統計でわかる自殺との関係性
睡眠時間が長いと自殺が増える!?
サイトで記録されている自殺者数との相関関係の中で、もっとも高かったランキングトップ5を発表するよ。(数字は相関係数)
① 60歳以上自殺者数 0.86
② 男性自殺者数 0.81
③ 理容室数 0.76
④ 睡眠時間 0.70
⑤ 火災死亡者数 0.70
総自殺者数との相関だから、高齢者自殺者数と男性自殺者数とが強く関係しているのは当然だろう。
しかし、理容室数や睡眠時間は一見関係ないように見えるのに相関が高い。
むしろ、睡眠時間は短いほど自殺者数が多いとおもってたけれど、正反対の結果となった。
なぜ睡眠時間が長い地域ほど自殺者数が出るのか。
おそらくだけれど、仕事と関係しているのかもしれない。
睡眠時間が長い地域は農業就業人口が多く、通勤時間が短い。
肉体を酷使するにもかかわらず、儲けが少ない仕事につかれている人が多いことになる。(実際、これらの地域は最低賃金も低い)
このあたりが関係しているのだと思うよ。
理容室に関しては、まるで分らないよ。
自殺する人はその前に床屋に行くという都市伝説があるけれど、それはこの相関関係を感じ取っていた人が作り出した話なのかもしれないね。
塾が自殺を防ぐ!?
では逆に、自殺率と強い負の相関があるトップ5を見てみよう。
① 小学生通塾率 -0.67
② 中学生通塾率 -0.67
③ セルフ式ガソリンスタンド設置数 -0.64
④ 男性平均寿命 -0.63
⑤ インターネット利用率 -0.63
小中学生の通塾率が高い地域ほど自殺者数が少ないという結果になったよ。
これについて納得のいく理由を考えていくよ。
通塾率の高い地域の人は、それだけ子供にお金を出資できる地域でもある。
すなわち、比較的裕福で余裕のある地域ということになるだろう。
その余裕が、自殺率の低さと関係しているのだと思うよ。
今回はここまでだよ。
何かの参考になればと思うよ(^●ω●^)
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