はいどうも、カワウソだよ。
「チョコレートは脳に良い」という話を聞いたことのある人は多いだろう。
実際、ポリフェノールとか、抗酸化作用がなんやらとかを芸能ニュースなんかでよく聞く。
調べたところ、なんとチョコレートの消費量が多い地域ほどノーベル賞受賞者も多いという結果もあるようなんだ。
でも、本当にそうなのだろうか?
今回は、チョコレートが脳に与える影響・そして、チョコレートとノーベル賞受賞者数について考えていくよ。
チョコレート消費量の多い国はノーベル賞受賞者数も多い
チョコレートは脳に良いときくけれど、その根拠とされている俗説に、チョコとノーベル賞の関係があるだろう。
これは実際本当のようで、実際チョコレート消費量とノーベル賞章受賞者数には強い相関関係があることが判明している。
Chocolate Consumption, Cognitive Function, and Nobel Laureatesでは、22カ国の、人口1000万人当たりノーベル賞受賞者数と一人当たりのチョコレート消費量の相関関係が調べられている。
この論文の著者は、「チョコレートをたくさん消費すると、個人個人の脳認知機能だけでなく、人口全体の認知機能にもよい影響を与えるんじゃね!?」って考えたと書かれているよ。
チョコレート自体で周りの人の脳機能が高められれば、自分が脳の力を高めなくても、周りにつれられて頭がよくなるというかんがえのようだね。
で、その結果、人口当たりのノーベル賞受賞者数と国民1人あたりチョコレート消費量の相関関数は0.791だったそう。
(相関係数とは、ある2つの数値を見比べて、「Aが高くなればなるほどBも高くなる」の度合いが強いほど1に近づき、「Aが増えても減っても、Bにはまるで関係ない」だと0、「Aが増えれべ増えるほどBが減る」の度合いが強いと-1に近づく。そして、相関関数がプラスの場合「正の相関関係にある」と言い、その逆は「負の相関関係にあるという」
例えばだけど、人間の1週間あたりの運動の量と、その人の筋肉量はプラスの関係があるだろうし、偏差値とIQもおそらくプラスの相関がある。逆に、国民の平均年齢と子供の割合は負の関係にあるだろう)
そんな相関係数が0.8近くだったということは、「チョコレート消費量が多いほどノーベル賞受賞者数が多い」というのは、正の相関関数がある、つまり、強く関係しているといえそうだね。
チョコとノーベル賞は相関関係か、それとも因果関係か
しかし、これだけ読んで「チョコレートを爆食いすればノーベル賞が取れる」と早とちりしてはいけない。
というのも、上の論文で明らかになっているのは、相関関係であって因果関係ではないからだ。
相関関係が示されたところで、「チョコレートを食べればノーベル賞がとれる」と思うのは、正しいとは言えない。
どういうことか、よく使われる例をあげてかんがえていくよ。
こういう話題でよく使われる例が、アイスクリームの消費額と水難事故件数の関係だ。年間で、アイスクリームの消費額が多い時期は水難事故もおおいんだ。
でも、だからと言って、アイスクリームの消費を減らせば水難事故は減らせるかというと、そういうわけではなさそうだよね。もし政府が「水難事故を減らすためにアイスを我慢しよう」といってきたら意味が分からないだろう。
実はここにはからくりがある。
というのも、『アイスクリーム消費額』と『水難事故の件数』には、『気温』という第三の要素がかかわっている。
アイスがよく食べられるのは夏など気温が高い時期だ。そして、気温が高い時期だと海や川で泳ぐ人も増えるだろうから、それにともなって水難事故も増える。
これが夏を過ぎて秋になってくると、アイスの消費量がへり、同時に泳ぐ人も減るから水難事故も減る。
『アイスクリームと水難事故』には、そういうからくりがあるんだ。
チョコレートとノーベル賞の『からくり』
では、今回における『相関関係のカラクリ』はどこだろうか。
ここで一つ考えられるのは、国の生産性だ。
チョコレートの消費量が増えると ノーベル賞受賞者が増える?でも、『国の裕福度』が第3の変数として指摘されている。
すなわち、裕福な国であれば多くの人がチョコレートを食べるだろうし、豊かな国であれば教育や科学技術に賭けるお金も増え、子供が自分の才能を伸ばしやすくなったり、潤沢な研究費を使って大規模な研究ができたりする。その結果ノーベル賞受賞者数が増える、というわけだ。
では、実際チョコレートの効果はあるのだろうか、それとも単に、チョコを食べる国は裕福だから頭がよくなるのか、どちらなのだろうか。
チョコレート自体の効果がいかほどか、実際のところを計算してみたよ。
詳しくは次の章を見てほしいよ。
チョコレート消費量とノーベル賞受賞者数の因果は『無くはない』
チョコレートの効果はGDPだけでは説明不可能
ノーベル賞受賞者をよく出す国ではチョコレート消費量がおおい。
そういう夢のような話を現実的に考えて、「チョコをよく食べる国はお金があるだけなんじゃない?」と指摘されている。
では、実際のところどうなんだろうか。
確かめてみたよ。
計算といっても方法はシンプルで、上で紹介した論文で調査した22カ国の、それぞれの1人あたりGDPを測り、それと人口当たりのノーベル賞受賞者数との相関関係をExcelで計算したよ。
それがこちら
22カ国の、人口当たりノーベル賞受賞者数と一人当たりGDPとの相関係数は0.703。十分有意な値だけれど、チョコレートとノーベル賞の相関係数は0.791でそれよりは小さい。
もし、チョコとノーベル賞の関係がGDPだけに起因するものだとすれば、この大小関係にはならないだろう。
僕は統計学の専門家ではないから断定は控えるけれど、この結果から分かったことは以下の通り
チョコレート消費量とノーベル賞受賞者数には、少なくとも『無いことは無い』程度の 因果関係があると思われる。
とりあえず、チョコレートを食べないよりかは、食べた方がいいんじゃないかと思うよ。
今回はここまでだよ。
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