はいどうも、カワウソだよ。
この記事を書いたのは8月中旬。大学生の皆さんは夏休み真っ最中のかたがおおいだろう。
それで、春学期の成績が秋に発表されるケースがおおいだろう。
特に1年生の方は「今回成績が悪くても何とかなるだろう」と思っている人もいるだろう。
特に、大学入試で成績の良かった人はなおさらそう思ってそうだ。
しかし、現実は違う。
大学入試の成績は、大学の成績(いわゆるGPA)とは全く関係のないことが判明している。
また同時に、大学1年最初の成績が、卒業時の成績と大きく関係していることもわかっている。
今回は、そんな、ある人には悲劇、ある人には喜劇な事実に向き合っていこう。
林修先生は「大学入試の成績と大学での成績は関係ある」と言っていたけれども、実際の研究では、入試の成績と卒業時のGPAは関係ないという結果が発表されている。
つまり、ギリギリで合格したところで気に病むことは無いし、逆に首席合格・次席合格だとか、センター満点とかをとったとしても、ほとんど意味がないということになる。
今回は、大学入試の成績と大学生としての成績(GPA)は全く関係ないという話を、さまざまなデータを基にしめしていくよ。
目次
大学入試とGPAは無関係
入試の点数は大学入学後は全く関係ない
東京理科大学の調査で分かったことだけれど、入試の成績と大学入学後の成績はまるで関係ないことがわかっているんだ。
入試、1年終了時、卒業時の成績を比較したところ、年度、学科を問わず、入試の形態や点数と卒業時の成績には全く相関関係がみられなかった。
一方、1年終了時の成績と比較すると、卒業成績との関連性が認められ、1年終了時に成績上位の学生のほぼ100%が良い成績で卒業していた。
東京理科大学は、入試成績とGPAの関係を何度も調査していて、しかも1回あたり約3900人データを集めている。
夜間学部を除いた、6学部33学科を対象にしたビッグデータだ。
その大規模なデータのもとにたたき出されたのが、大学入試の成績とGPAの『無』関係性だった。
しかし一方で、全くのムダなデータだったわけでははい。
むしろ、1年終了時に上位にいた生徒は卒業時もほぼ100%成績上位だったということがわかった。
この結果に関連して山下副学長は言う。
上位で入学したのにギリギリで卒業する学生もいれば、補欠合格でも卒業時にはトップクラスにいる学生もいた。理系のような積み上げ型の学問は1年時に興味が持てないと、そのまま留年したり退学したりしてしまう危険性が高い
たとえ補欠で合格したとしても、1年次に学問に興味がわき、真面目に勉強してトップクラスの成績で卒業する人もいるということなんだね。
入試倍率・入試形態もGPAと無関係
また、東京理科大学だけでなく、天理大学も同じようなデータを示している。
入学者の学業成績からみた大学入試制度の分析ー学業成績基準 (GPA)に もとづく入試制度評価の試み
天理大学に入学した9学年231名のデータだから、東京理科大と比べると規模は小さい。
しかしそれでも、東京理科大学と同じような結果になっている。
天理大学では、大学入試を成績ごとにわけているわけではないけれども、各学年の入試倍率とGPAの関係を明らかにしている。
入試倍率は年度ごとに大きく変わっており、一般入試倍率が3.4倍程度の年もあれば20倍を超える年度もあるようだ。
ここまで変化しているのは、学科の受け入れ人数が前期後期合わせて10人ということも関係しているのだろう。
さて、これだけ年度ごとに倍率が異なれば、当然合格者の学力も変わってくる。
倍率が3.4倍の年度と20倍以上だった年度では、平均偏差値も5以上違っているのではないかな。
では、そんな平均学力が大きく異なると予想される各学年の平均GPAはどうなっただろうか。
一般の倍率が3倍程度だった年度の入学者は平均GPAは2.0
一方で20倍を超える年度は2.21だった。
わずかではあるが、入試倍率が高い方が平均GPAも高い。
多くの人が納得できる結果だろう。
しかし、倍率6倍の年度の平均GPAが1.8だったり、倍率4.7倍の年度の平均GPAが2.4で学年間内で最高だったこともわかり、総合的にみると、入試倍率とGDPは関係ないということがわかった。
さらに天理大学の調査では、入試形態さえGDPには全く関係ないということがわかっている。
調査が行われた学科は一般入試と指定校・推薦(専願・併願)入試を実施しているんだけれど、ある年度は指定校のGPAが高く、ある年は一般入試入学者の方が成績が良かったという風になっていた。
すなわち、入試方法だけで入学後の学力が決まるわけでもなかった。
たまに指摘されることで、「指定校や推薦組は学力に問題あるのではないか」とか「AOは『アホでも落ちない』の略」というのがあるのだけれど、GPAの観点からすると、推薦や指定校だからと言って大学で落ちこぼれるわけではないんだね。
大学1年次の成績はめっちゃ大事
そして、この東京理科大学の調査と天理大学の調査で共通してわかったことがある。
それが、1年で良い点を取れば、卒業時の成績も高い確率で良いということだ。
天理大学の調査では、1年次に成績トップ10に入っていた人の内8人が卒業時成績トップ10に入っていたという。
逆に、1年次にワースト10だった人のうち8人は、卒業時の成績もワースト10だった。
東京理科大学は全体的に理科系、天使大学で今回の調査にかかわったのは福祉系の学科なんだけれど、そのどちらにおいても、1年次の成績が卒業時の成績に大きく関係しているというのは非常に興味深いデータだね。
今年度入学した大学生は、入試成績のことはなるべく早いうちに忘れた方がいいと思うよ。
なぜ大学入試の成績とGPAは無関係なのか
テストの内容が入試と学期末考査では異なる
では、なぜ大学入試の成績と大学入学後の成績が全くの無関係なのか考えていこう。
まず最も関係しているのが、出席日数だろう。
授業によっては出席日数そのものが成績とかかわってくることもあるけれど、自主休講することはそれ以上に危ない可能性を秘めている。
というのも、大学の90分授業は理解に90分必要なんだ。
高校までは、多くの場合、授業の進度が速すぎると途中で先生が止まる。
だから、理解力の良いひとであれば15分で理解できるようなことを50分かけてやる。
人によっては、授業をさぼって自分でやった方が早く済むような場合もあるだろう。
入試も同じで、
しかし、大学の授業はそういうタイプの授業は少数派だ。
すくなくとも僕の受講していた授業は、進度が高校と比べて圧倒的に速かった。
勉強時間も高校以上にかかる。また教科書らしい教科書もなく、自主休講で図書館で本を借りて勉強しようにも、その本自体がなかなか難しかったり、ひどいときは誤植だらけだったりする。
だから、授業よりも自主勉の方が効率的というケースはだいぶ少なくなってくる。
つまり、出席日数が多ければ多いほど、効率よく勉強できるんだ。
受験では授業を軽視しても影響は小さい(むしろ場合によっては良い方向に向く)だったのが、大学の考査試験は授業の影響が非常に大きい。
このことが、大学入試と入学後の試験との違いの一因なのではないかな。
大学入学後は入試と違って何時間も考える必要がある
また、テストの点だけで成績が決まる講義はそんなに多くない。
大学の半数以上の授業においては、レポートが存在する。
そのレポートも授業によりさまざまなんだけれど、大学入試がちゃちなものにおもえるほどハードなものもいくつかある。
ある講義では、毎週最低2時間は考えなければ解けないようなミニレポートが出題されたり、
別の授業では、2回ほど、まともい答えようとすると10時間は考える必要があるレポートが出題されたりした。
こういうレポートは、受験と違って、ノートを見てもよいしネットや本で調べてもいい。
受験で培った力とは少し違う能力が求められるし、ある程度真面目にやらないと締め切りに間に合わない。
となると、どれだけ受験で成績が良い人でも、真面目に勉強してこなかった人は入学後レポートで失敗する可能性が高い。
だから、入試成績によらず、不真面目な人・サークルに入り浸りの人は成績不振に陥る。
このような違いがあるため、入試の成績と入学後のGPAは全く関係ないのではないかな。
今回はここまでだよ。
ツイッターのbioで「●●大学首席」と書いている人には、ぜひ入学後のGPAも聞いてみたいね(^●ω●^)
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