はいどうも、カワウソだよ。
ノイジーマイノリティーという言葉が広く知られだした。
一昔前はモンスタークレーマーといわれていた存在が、現在では「実際は少数派である」という意味あいを含めて、こういう呼ばれ方をしている。
しかし、いったいノイジーマイノリティーがどのくらい『ノイジー』で、どのくらい『マイノリティー』かということに関して、調査は少ない。
そこで今回は、ノイジーマイノリティーがどの程度少数で、にもかかわらずいかにうるさいか具体的にみていこう。
また、それだけ迷惑なノイジーマイノリティへの対策も考えていくよ。
ノイジーマイノリティーは人を6倍苦しめる
Twitterの大量の嫌がらせは実は一人による行為だった
まずは、こちらのツイッターの動画を見てほしい。
一人ブロックしただけで誹謗中傷系の質問全部消えた笑笑
同じ人だったの笑笑 pic.twitter.com/rQgJ6BhZ38— そらいと (@sorabehere) 2018年11月28日
そらいとさんという方は、ツイッターの質問箱で多くの質問を受けている。bioによれば、一日で100件以上の質問に回答したこともあるという。
で、質問箱によくあることだと思うけれど、質問という名で、上から目線で説明する口調の、いわゆるマウンティングをしてくるものがある。
質問箱が匿名制だということが関係しているとおもうけれど、そらいとさんも、質問箱で多くの嫌がらせ行為を受けてきた一人だ。
それで、そらいとさんは悪意のある質問の内、ひとつをブロックした。
ブロックすると、その質問だけでなく、その質問者が過去やった質問すべてがブロックされるようだ。
で、ブロックを行った結果どうなったか。
そらいと氏は上の動画で、悪質な質問を18個クリックしている。
そのうち16個が、「観閲できません」と表示されたんだ。
そらいとさんが言うには、たった一人だけをブロックしたのだという。
ということは、残り16問がすべて、同一人物による嫌がらせ質問だったということだ。
動画に映っていた質問は全部で22問。
ここから推測すると、そらいとさんの質問箱のうち、実に72.7%が同一人物による、いやがらせの意図があると思われる質問だったということだね。
ここから計算すると、仮にこのブロックされた人以外が一人平均1問質問したとすると、質問者数は6人(ブロックされたアカウントを含めると7人)。
ノイジーマイノリティーがたった1人いたせいで、投稿者は回答数が3.67倍になっていたということだね。
さらに言えば、悪意ある質問は18問だったが、悪意ある質問をした人数は3人だった。
このたった3人のノイジーマイノリティーのせいで、そらいとさんは6倍不毛な議論に巻き込まれたり、嫌な気にさせられたりしたということになるんじゃないかな。
『ネットは過激だ』論の嘘
上で挙げたのは一つの例でしかないのだけれど、ツイッターやネットではほかにも多くの『被害』というべき現象が起こっている。
ネットを利用している人の中には、政治的に過激なさまざまな論調を目にしたことがある人がいるだろう。そして、それがあたかも大多数の意見であるかのように思っているかもしれない。
しかし、それもまた間違いだ。
そういう『ネットでは過激な意見がマジョリティ』というのも、ノイジーマイノリティによるものだ。
『ネットは社会を分断しない』(田中辰雄・浜屋敏 共著)では、ネットの憲法9条問題への意見について、人数ベースと書き込み数ベースの両方で調べられている。
これによると、9条改正についてどちらでもないという書き込みをした『人数』は全体の33.1%,強く賛成、または強く反対している人は21.1%だったという。
しかし、『書き込みベース』で言うと、どちらでもないは18.7%,強く賛成または強く反対は、44.7%となった。
なんと、書き込んだ『人数』では全体の2割程度しかいなかった強烈な意見が、『書き込み』基準になると半分近くを占めてしまう。
これはすなわち、憲法9条改正に関して穏健な人はあまり書き込みをしない一方で、強く賛成または強く反対している人が、何度も何度も書き込んでいるということを表している。
ネットが過激というよりも、過激な人が何十回も書き込んでいるために、あたかもネットユーザーの多くが過激な意見を持っているかのように錯覚してしまうというのが本当のところのようだね。
身の回りにあるノイジーマイノリティー
今回取り上げた2つの事例は、ともにTwitterにおける話だ。
しかし、ネットだけでなくリアル社会においても、ノイジーマイノリティーの存在が実際以上に、迷惑行為者の数を多く思わせたり、実際以上にある存在の価値を低めたりすることがある。
有名なのは、ラブライバーによる迷惑行為じゃないかな。
ライブライブのファン、いわゆるラブライバーの一部が、犯罪行為や倫理的によくない行動をしたことが、Twitterを中心として報告されている。
ラブライバーという存在は、とりわけラブライブを知らない人、秋葉原などのオタク街に行かない人にとって、「ファンの迷惑行為やマナーの悪さが問題になる」作品として知られている(かもしれない)
事実、Googleで「ラブライバー」と検索すると、サジェスト予測で「ラブライバー マナー」「ラブライバー 害悪」「ラブライバー 怖い」などと出てくる。
「ラブライバー マンホール」というのもあるが、それも、沼津市にラブライブサンシャインのマンホールができたこと以上に、そのマンホールが傷つけられたことに憤慨する人、あるいは、マンホールを踏んだ人に対して器物破損だと言ってくる人の事例が話題になっているようだ。(実際には、ラブライブと区別するためにサンシャイナーと呼ぶ人もいる。)
こういった、迷惑なラブライバーが多数派かどうかはわからないけれど、僕は、そう言った迷惑行為をする人物はマイノリティーだと思っているよ。
統計はないけれど、特定のアニメに限ってマナー違反をする人の割合が多いというのは考えにくい。もしそうだとすれば、そのアニメがファンに悪影響を与えていることになるけれど、ラブライブはそのような内容ではない。
最近で言えば、『鬼滅の刃』のファンがなんでもかんでも「鬼滅の刃のパクリじゃん」と憤慨しているとしてやり玉にあげられているけれど、これもまた同じだろう。
こういったアニメはファンが非常に多い。だからこそ、そのうちのごくわずか、0.1%が変なことを言ったとしても、数字として大きく見えてしまうんだ。
オタクが「一般市民」よりも迷惑行為に気をつけなければいけない理由
しかし、ほんの一部のラブライバーが迷惑行為をしたことで、あたかもラブライバー全員が悪質な人間だと誤解されている。これが現状のようだ。
あるいは、僕の体験でいうと、ライブにおけるイエッタイガーもそのように思う。
会場にいる人の多くは、そのような、罵声と大差ない言葉を自分の好きな歌手にかけることはないし、実際、「n段後ろのm個左の席からイエッタイガーが聞こえる」といったように、特定できたことは僕自身はない。
自分の経験に基づくと、イエッタイガーを叫ぶ人は、多くても全体の5%くらいだと推測している。
なぜイエッタイガー・家虎が迷惑で厄介だと言われ、禁止されるのか。
しかし、そのわずか5%が、ライブ全体の雰囲気をわるくしているんだ。
他にも、ポケモンGO利用者による自動車運転・死亡事故がテレビのトップニュースになるなども、ノイジーマイノリティーの例だろう。
しかし、なぜ彼らがその絶対数以上に大きな存在と思われているのか。
単純に、コトが大きいからに他ならない。
ラブライバーの件でいえば、映画を盗撮したり、一般人を殴打したりと、犯罪になるケースが認知されている。
ラブライバーがやらかした迷惑行為、犯罪事件、騒動の数々【ラブライブ!】
数自体は少なくても、その度合いが大きいと、新聞やテレビに載る。あるいは、ツイッターで拡散される。
その結果、「ラブライバー=迷惑」という図式が浮かび上がるのではないかな。
イエッタイガーは、単に声が大きいしね。文字通り、ノイジーマイノリティーというわけだ。
他にも、深刻さが著しくひどかったり、単に声が大きかったり。そういうことで、本当はマイノリティーの存在が、あたかも全体のイメージであるかのように錯覚されてしまう。
これがノイジーマイノリティーの恐ろしい点だね。
人種差別に関しても同様の結果に
じつは、こうした結果は何もアニメやライブ、質問箱などの娯楽に限ったことではない。
差別に関しても、同じようにノイジーマイノリティーの影響がある。
レイシズムを解剖する(高 史明)では、このような調査が行われている。
コリアン、あるいは在日コリアンに関するツイートを一定期間調査したところ、それに関係するツイートの投稿者は43,619IDあった。
そのうち、77.6%のアカウントは、たった1件しかコリアン関係のことをつぶやいていない。つまり、コリアン関係のツイートを常習的につぶやいているアカウントはあまりないということだ。
一方で、コリアン関係のツイートとして捕捉されたツイート数が100件を超えるアカウントが47IDあった。
ID数でいえば、コリアン関係のつぶやきをしたアカウント数のわずか0.1%ということになるね。
また、このようなアカウントのツイートは、コリアンに関するものの中でも差別的・中傷的なモノだということも判明している。
コリアンに関する差別的ツイートを分析した結果、ごく少数の人が、とんでもなくヘイトを言っているようだという構造がうかがえるね。
ノイジーマイノリティーをブロックすれば大多数が幸福になる
ノイジーマイノリティーの悪影響がいかほどかわかったところで、そういった存在に影響されないためにはどうすればいいか。
可能な場合であれば、そらいとさんがやったように、ブロックすることが一番だ。
ラブライバーやイエッタイガーに関しては、規制は難しいかもしれないけれど、ヘイトスピーチだったら取り締まりは可能だろう。
また、再三かいたように、実際にヘイトスピーチや迷惑行為をするのは、ある集団の中でほんの僅かだ。
だとすれば、実際にその『わずか』を取り締まった方が、ラブライバーのような多数の集団を全員的氏するよりはるかに効果的だろう。
ほんの一つ二つのアカウントをブロックすることによって、質問箱から不毛な議論が消えたり、レイシズムの励起が起こらなくなったりするだろう。
今回はここまでだよ。
ノイジーマイノリティーは厄介な存在なことが多々としてある。それらに適切に対処してくことで、大多数のサイレントマジョリティーが幸せになれると信じているよ(^●ω●^)
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