はいどうも、カワウソだよ。
世の中には悪質なサイトがあまたあるけれど、特に最近取沙汰されているのは漫画村だね。今まで無料だったのが有料化したことも話題となった。
「漫画村」有料版の開始告知に批判殺到!漫画家のおかげで「ユーザー1.8倍」と煽る
Twitterを見ると、#漫画村をつぶそうとか、#漫画村を守ろう とかのハッシュタグができている。
ただ、このハッシュタグを検索したところで、ただただ非難するだけ、あるいはまっとうな理由なく漫画村を擁護いるツイートがほとんどだよ。
ただただ非難したところでどうにもならないのが現実だね。だから、改めて漫画村の問題点と、どうすれば解決できるかをかいてみるよ。
追記
現在におきましては、漫画村の運営者が逮捕され、また集英社などの一部出版社が無料で漫画を提供するなどの措置をとり、漫画村騒動は現在おさまっています。
しかし、今後また第二第三の漫画村が登場しないとも限らず、その際の対策法もかいていますのでぜひご参考にしてください。
漫画村の何が問題か
「海賊版」という法の抜け穴をついた漫画村
まず、漫画村の何が問題か、簡単に説明しよう。
このサイト、漫画を出版社や作者の許可を取らずに勝手にアップロードしているんだ。
常識的に考えれば、著作権法などの法律に引っ掛かりそうだし、そうでなくても倫理的な問題が発生する。
でも、なぜなかなかこういうサイトが閉鎖されなかったのだろうか。
それは、この漫画村というのが海賊版だからなんだ。
漫画村公式の説明では、要約すると
漫画村は国交のない・著作権が保護されない国で開設されており、これを取り締まることはできない
とある。たとえとして、日本のメディアが北朝鮮のテレビニュースを勝手に使用していることを取り上げているよ。
なるほど一理ある。
しかし、この説明は、同時に自らの危険さも暴露しているんだ。
漫画村の説明では、このサイトは日本と国交のない国で開設されているという。
日本と国交のない国って、北朝鮮含め、危ない国・よくわからない国が多いよね。
そんな地域のウェブサイト、どんなプログラムが入っているかわからない。
ちょうど、北朝鮮が国際条約を裏切りかねないように、漫画村がいつ利用者のパソコンやスマホにウイルスを入れてくるかわからない。
漫画村自身が仕組んでなくても、第三者がウイルスを仕込みやすいサイトではあると思うよ。
海賊版を取り締まる法律はあるけれど抜け穴も多い。でも、そういった抜け穴に漬け込んでいるサイトは危ない橋を渡っているということだね。
漫画村は漫画家を只働きさせている
とはいえ、ウイルスに巻き込まれてもきにしない、あるいは漫画村はそういうことしないと変な信頼を置いているのが漫画村利用者だ。
そういう人たちにいいたい。
漫画村に信頼を置いて読む行為は窃盗と同じだ。
どういうことか。
漫画村で得られた収入は、漫画家には1円も還元されない。
つまり、漫画家にお金を払わず漫画を売っていることになるんだ。
盗んだ商品で儲けようとするのは、倫理的にかなり問題だよね。
日本人のモラルは高いといわれるけれど、こういったサイトを利用している人がいるという事実を見ると、本当にそうかなと疑ってしまうよ。
漫画村擁護派の主張
では、漫画村擁護者、むしろ漫画村を崇拝しているといってもよいくらい信じている人たちはどんな考えをしているんだろう? 以下、見ていこう。
漫画村擁護派の主張:漫画村は違法ではない
まずはこれ。漫画村が違法ではないという主張だ。
不適切だが法ではないというもの。
マナーはルールではないから、破ったところで処刑されることはない。
マナーは世の中の流れををスムーズにするためのものだけど、注意されたり、あるいはそれによって自分にとって不都合になったりすることを恐れて従っている人も多いよね。
漫画村の利用者は、おそらく後者の考えをしているよ。
つまり、自分の都合さえよければマナー違反してもいいという考えだね。
ただ、この主張は法律的にはかなりグレーだということもしめしておくよ。
漫画村擁護派の主張:タダで読める
そしてもう一つ。
無料で読めるサイトがあるのなら、わざわざお金を払うのは無駄だという考え。
この考え自体は間違っていない。モラルなどを無視して考えると、実に合理的だ。
実際、ジャンプやガンガンは、期間限定という条件付きだが無料で漫画を公開しているよ。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.access_company.android.sh_jumpplus&hl=ja
でもそれは、「買ってくれる」という期待を込めてだ。
期間が過ぎれば見れなくなる→漫画を買おう
と考える人が、100%でないにしろ20%くらいいれば、そりゃたくさん無料で見せるよね。結果的に漫画の売上につながるから。
あるいは広告費。これをクリックするとサイト作成者にお金が入る。
これが良心的なサイトであれば、その広告収入の一部が漫画家に支払われる。
読者はタダで読めて、でも作家さんには収入が入るのだからこれ自体は間違っていないよね。
でも漫画村などの海賊版では、売上を漫画家に渡す手段を設けていない。
つまり、広告収入は、1円も漫画家の口座には振り込まれないんだ。
つまり、漫画村のやっていることは、低賃金で労働者を過労させるブラック企業会長と実質同じだよ。1円も払ってないのだからそれ以下だね。
漫画村擁護派の主張:中古書店は違反じゃないのか
中古書店。具体例としてはブックオフや駿河屋があるね。
それらと漫画村はどうちがうのか。
確かに、ブックオフの売上は作家さんには入ってこない。中古品がいくら売れたところで作家は儲からない。その点では漫画村と似ているように思うね。
でも、漫画村と中古書店には決定的な差異があるよ。
複製できるかどうかだよ。
例えば、ブックオフ新宿店にイケダハヤトさんの「まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく (幻冬舎新書)」が100冊売れ残ってると想定しよう。僕もブックオフで彼の本を買って、ブックオフで売った人間だよ。
買うにしても立ち読みするにしても、この店で同時にを読めるのは100人がMAX(無理な覗き読みを除外する)だ。
新品でも中古でも、トータルで考えれば現存する本の数より現在の読者数が多いことはあり得ないよね。だから、新品でも中古でも、100人が読むためには、最初に新品が100冊売れる必要があるね。イケダハヤトさんには100冊分の印税が入ることになる。
でも漫画村はどうだろう?
漫画村の人が、かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)を1冊買ったとする。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
それをサイトにに公開すれば、ネットに接続できる人口、おそらく数億人が見られる。もちろん、劣化もありえない。
ということは、1億人がを見るためには漫画村は1冊買うだけでいいことになる。これじゃあ、どれだけ人気ああろうと、売り上げが減衰するのは明らかだよね。
漫画村問題解決への道筋
正直なところ、漫画村等の悪質サイト利用者の意見には、わがままでこじつけがましいところがあるよ。
でも、問題なのは彼らなのだから、彼らの考えをどうにかしないわけにはいかないね。犯罪心理学の研究に犯罪者の調査が必要なのと同じで、彼らの考えを分析せずに、ただただ皮肉なりなんなりしただけでは解決にならない。
もちろん、利用者を逮捕するというのが一番手っ取り早いんだけど、もう少し穏健に、平和に解決する方法があるんじゃないか。そういう考えのもと、以下に具体的なものを書いてみたよ。
解決法その1 :公式が出費しよう
漫画村が読まれているのは、それが「違法だから」漫画村を使うわけじゃなくて、「無料で便利だから」漫画村を使っているのがほとんどなはずだよね。
無免許運転の同乗者が
「無免許と思っていなかったから乗った」
「無免許と知ってたけどあいつ運転上手いし」
と供述するのがまだ理解できでも
「無免許なの!?ドライブ連れてってよ!」
とならないのと同じだね。
上は頭がおかしいだけだが、下は頭がおかしいを超越した何かだと思う。 pic.twitter.com/ZI1PptQeJg
— はるかなP (@harukanaP) 2015年4月26日
それと同じ。一部の人が漫画村を守りたいのは、無料で便利だからだ。
となれば、解決法はおのずと見えてくるよね。
公式で合法な無料サイトを作るという手だ。
今ある無料漫画サイトの問題、というか漫画村と比べて面倒な点は
① 読める漫画の種類が限られている
② 無料で読める漫画の数が限られている
の2つが挙げられるね。
この2つをまずは解決しよう。
漫画の種類が限られてる
まず、漫画の種類が限られている点。
ジャンプなら集英社、マガジンなら講談社のサイトに行かなきゃならない。
これを、1つのサイトで読めるようにしたのが漫画村なんだね。
じゃあ、このシステムパクっちゃえばいいじゃん。
…パクるというと聞こえは悪いかもしれないね。じゃあ、真似と表現しよう。
ただし、漫画村との違いは、ちゃんと集英社なり講談社なりカドカワなりがサイト運営に出資すること。
もちろん、何十もの会社の協力が必要で、簡単にできることではない。
でも、漫画村を潰したいのであれば、漫画村以上のサービスを提供するのが一番だと思わないかい?
無料の漫画を増やしたい
問題その2. 無料漫画が少なすぎる。
1ヶ月に何冊まで無料と決まっていて、気楽に読めないという不満があるね。
それにも解決法があるよ。
思いつくのは、広告収入。これは漫画村がやっている手法だね。
ただし、収入の一定割合を漫画家に支払う制度を導入する。
あとは、解決になってるかどうかは疑問だけど、課金をより細かい単位、1ヶ月いくらではなくて1週間、あるいは1時間単位で課金できるようにする。
1ヶ月1000円を高いと感じても、1日40円なら気楽に、タダ同然に払えるよね。
こういう風に、方法はいくらかあるよ。
漫画という、日本の誇る文化を守るために、ぜひとも大手出版社にやってほしいことだよ。もしかしたらすでに企画進行中かもしれないけどね。
本日はここまでだよ。
未来ある子供達がこれ以上漫画村に壊されないことを、心から願っているよ(^●ω●^)
(追記)漫画村運営者逮捕を受けて
漫画村の運営者、星野ルミ容疑者が逮捕されました。しかしその後もいまだに海賊版サイトは後を絶たないのが現状のようです。
しかしながら、コミックウォーカーや集英社などで、漫画が期間限定ではあるものの無料で読むことができます。
公式が、漫画を無料で読むのを許可したり、あるいはそれらのサービスが普及したのは、漫画村が社会問題となったことが大きいと思っています。
とはいえ、これを必要悪とみなしてはいません。『必要だった』というニュアンスができてしまい、それは不健全だからです。
第二第三の漫画村はもうすでに表れているでしょう。それらの対策を、なんとしてでもやらないといけません。
日本の漫画を守るために。