はいどうも、カワウソだよ。
声優・アイドルのライブは、そのファンにとって非常に楽しいものだ。
コミケほどではないものの、さまざまな活動が行われる。
しかし、そんな中、一部の人がやろうとしている活動が問題となることもある。
その一つが、CD・DVDの無料配布だ。
僕自身が見たのは、2018年の小倉唯さんのライブにて、当時リリースされて間もないCD『白く咲く花』を無料配布する予定だとするツイートだった。
その後どうなったのかはわからないけれど、僕自身は、このようなCD・DVDの無料配布をいいとは思っていない。
少なくとも、その歌手のライブで無料配布することはやめた方がよいと思っているよ。
今回は、なぜCDの無料配布がよくないか、書いていくよ。
注意・以下の内容は、作曲に携わった人が直接CD を無料配布することへの批判はしておりません。公式が有料で売っている新盤を、売り切れているわけでもないのに無料で提供する人への批判を書いているということをご理解いただけたらなと思います。
CD無料配布者の思考を推測する
CDやDVDの無料配布は善意からか
まず、なぜ無料配布をしようとする人がいるのだろうか、自分なりに考えてみるよ。
CDを無料配布することで何か利益になるかというと、全くそうではない。
無料配布者がメーカーからお金をもらって行動しているとは思えないんだ。
おそらくこの人達はCDを自分のお金で購入した。
ツイートを見る限り、限定版だったから、一般に買えば1800円+税程度だよ。
それを20枚買うとすれば、38800円。
これだけの金額をはたいて、しかし自分で聞くわけでもない。
最初は、CDに入っているイベント応募券目当てかなと思ったんだけれど、ツイートされている画像を見る限り開封はされていなかった。
だとすれば、CDの無料配布は完全なる善意からなると判断せざるを得ないんだ。
CD無料配布の利点・欠点
部外者への配布はむしろプラス
では、性善説に基づき、CDの無料配布が彼らの善意で行われていたと仮定しよう。
その場合、その行為は果たして推している歌手の利益になるのだろうか。
これを考えた結果、CDの無料配布は特定の会場で行うのであれば利益になるという結論に至った。
その会場とは、推す歌手のファン以外が多く集まっている場所だ。
以下、今回のきっかけとなった小倉唯さんの件で考えてみよう。
小倉唯さんは、アニサマなど、多種多様な声優が参加するイベントにも参加している。そういうところで、小倉唯さんのCDを無料配布するとどうなるか。
小倉唯ファン以外の人が、「無料なら」となって、買うかもしれない。
そこで、小倉唯の良さを知ってもらい、新たにファンになる可能性は十分ある。
その意味で、新たなファン獲得を狙うのであれば、CDの無料配布は極めて有効だと思うよ。
ファンへの無料配布はどうなのだろうか
でも、今回問題となったケースは、アニサマのようなところではない。
無料配布する予定だったのは、両国国技館、小倉唯ライブの開催地だった。すなわち、そこに訪れてCDをもらう人は十中八九小倉唯ファンということになる。
無料配布者は、小倉唯さんのファンに向けて無料配布をしようとしていたと考えられるよ。
ということは、今回の無料配布によってファンを増やす効果は薄いと予想される。
では、この場合の無料配布の弊害を考えていこう。
それは、長期的に見るとCDが売れなくなる可能性があるという点だ。
無料配布という行為自体に違反性はないし、一見ただのすごくいいことだろう。
しかし、長期的に見ると、無料配布はあまりよいことではなさそうなんだ。
小倉唯さんのライブにかかわらず、多くの声優イベントでは、CD・DVDが公式に販売される。
こういう場所で無料配布をされるとどうなるだろうか。
たとえば20枚無料配布した場合、この国技館での販売枚数は20枚減る。
もちろん、もともと配布している人が20枚買っているから、短期的にはプラスマイナスゼロだ。
しかし、長期的に見るとマイナスになってしまう。
もしこういう無料配布が続いてしまうとどうなるか。
無料配布者の存在を知って、同じような行動をする人がどんどん増える。
そして、それによって無料でCDを買える人もどんどん増える。
それはつまり、「小倉唯CDは無料で買える」という発想を抱く人も増えるということになるよ。
もちろん、CDをもらった全員がそんな発想を抱くわけではないけれど、無料で得られる機会が増えるならその絶対数も当然増えるという話だよ。
「CDを無料で買える」ということを知ってしまい、配布者に完全依存してしまって、「無料じゃないなら聞かない・見ない」と思い始めるファンが増えるのではないかな。
もちろん、こういう発想をする人は全体における割合はとても小さいものだよ。
でも、全体に対して少数というだけで、絶対的な数字で見ると結構な悪影響を与えるものだよ。
どういうことか見ていこう。
例えば、今回の「白く咲く花」の前の小倉唯さんのシングル「Future Strike」の売り上げは アニソンCD売り上げ保管庫によると17,158枚
今回もそれと同じ程度、17000枚が売れるとしよう。
でも、購入者の5%が、「小倉唯のCDは無料で貰うもの」という発想に転換したらどうなるだろうか。
売り上げを維持するためには、配布者が合計17000×0.05=850枚、自力で買わなければいけない。
でも、一人ひとりが見返りなしで買える枚数は限られているし、配布者の絶対数も少ない。
どんなに頑張っても配布枚数は200枚程度が限度になるんじゃないかな。
となれば、差し引き650枚、本来売れるはずのCDが売れなくなり、結果的に小倉唯さんの収入にも関係してくるね。
てことは、無料配布によって、結果的に売り上げが落ちることが予想されるね。
小倉唯さんが本当に好きなら、無料配布が忌むべき行為だとよくわかるね。
無料配布の解決策
安く、でも有料で
とはいえ、大量購入・売りたいってサガの人もいるかもしれない。
じゃあ、どうすればいいんだろう?
僕が提唱するのは、無料ではなく、安価で売ることだよ。
例えば新幹線のチケット。定価の7〜8割で売っているお店があるね。僕も先日静岡から帰った時にお世話になったよ。
もしもこれが売り切れたとしても、定価で買うことに抵抗を抱く人は少ない。なぜなら、あらかじめ期待していた金額と定価の差が少ないからだ。
それと同じ。どうしても配布したいなら、定価の7,8割くらいの値段をつけて売ればどうだろうか。
例えば、税込み1944円のCDを1500円で配布するとする。
そうすれば、売り切れても余計に444円出せば買える。だとすれば、売り切れた時に「じゃあ定価で買うか」とスムーズに行けるよね。
これが無料配布だと、売り切れた場合に、0円だったものが余計に1944円払わなければならないと思ってしまう。心理障壁が高すぎて買う気が失せるね。
このように、安く売れば、少なくとも無料で配布するよりかは小倉唯さんへの悪影響は少なくなる。僕はそう考えるよ。
実際、Amazonで期間限定版を買うと1150円、800円ほど安く買うことができるよ。
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無料か有料かの違いはとても大きいよ。だから、その壁を越えてしまった無料配布は、本人は善意のつもりでも、長期的にみたら歌手にとってはマイナスとなる。
だから、僕は、本当に小倉唯さんのことを考えるのなら、CDの無料販売をするときは慎重に考えるべきだと思うよ。
今回はここで終了だよ。
小倉唯さん含め、多くの声優・歌手の皆さんが生活に困窮せずに暮らしていけることを心からのぞんでいるよ(^●ω●^)