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【マセマ】数検1級の内容・レベル・勉強法を合格者が全部解説してみた【ユーチューブの解説動画付き】

更新日:

はいどうも、カワウソだよ。

2021年度第一回試験を受験して、無事数検1級に合格したよ。

どこかの教室に通うことなく独学でやったのだけれど、実際自分で調べていて、その内容や勉強法なんかを探すのに苦労したよ。

正直言って、当時、ググって上位に表示されていた勉強法ブログの内容は正直いまいちで、実用性がないと言わざるを得ない状態だったよ。

 

そこで今回は、これから受験する人が困らないためにも、数検1級の1次・2次試験の内容と勉強法を、コンパクトに説明していくよ。

数検1級の内容・レベル・合格基準について

数検1級の内容……ほとんどは大学理系学部レベル

まず、数検1級の内容・レベルについてだよ。

すごく範囲が広いんだよ。

公式HPから引用すると、出題されるのは次のとおり

【解析】 微分法、積分法、基本的な微分方程式、多変数関数(偏微分・重積分)、基本的な複素解析
【線形代数】 線形方程式、行列、行列式、線形変換、線形空間、計量線形空間、曲線と曲面、線形計画法、二次形式、固有値、多項式、代数方程式、初等整数論
【確率統計】 確率、確率分布、回帰分析、相関係数
【コンピュータ】 数値解析、アルゴリズムの基礎
【その他】 自然科学への数学の応用 など

https://www.su-gaku.net/suken/examination/summary/1q/

 

なんのことやらわからないという人もいるだろうけれど、名前が面倒なだけで、このほとんどは大学の理系学部の人が1,2年生で習う範囲だ。理系の人からすると、わりと基礎的な内容だ。(数値解析などコンピュータ分野は、必須問題としてはここ数年は出題されていない模様。)

しかし、全部が全部、理系学部で習うわけではない。これが、1級をちょっと難しくしているところだ。

例えば、初等整数論。具体的には合同方程式なんかが出題される。この範囲は、現在では高校生も習うのだけれど、数年前の高校生は学習指導要領の範囲外だったし、かつ大学に入っても習うことはあまりない。

また、確率統計もその一つだろう。特に、統計分野。これはややこしい。一次試験では相関係数を求めるといった簡単なものが出題されるけれど、二次試験では帰無仮説を用いた証明問題が出されることが多い。どちらかというとこの範囲は文系の人(商学部など)が習うもので、理系学部に進んだ人は触れることが少ない。

基本的には大学で習う領域ではあるんだけれど、初等整数論や統計など、理系学部の人があまり触れていない分野も出題されている。

このせいもあってか、2019年度(3回分)の合格率は13.2%。大学基礎レベルという割には低いようだ。

 

合格基準……一次は70%、二次は60%

では、合格基準を見ていこう。

難易度によっては前後するそうだが、原則としては、一次7割二次6割で合格だ。

一次試験は7問あるから、ボーダーは4.9問。値だけかいて部分点がない(小問はあるが1問あたり0.5点)ので、実質的に5問正解する必要がある。

で、この7問のうち、先ほど上で挙げた『整数』と『確率・統計』はほぼ必ず出題される。

すなわち、大学で触れてこなかった分野だからと言ってこれらの分野を避けてしまうと、それを除いて6問中5問、あるいは5問中5問正解しなければいけなくなる。なかなかシビアだ。

このことも、数検1級の合格率を低くしているのかもしれないよ。

 

二次試験は、記述式で、部分点もある。さらに言えば、全問回答というわけではない。

7問出題されるのだけど、必須問題はこのうち2題。のこり5題のうち2題を選択して、合計4題解く必要がある。

合格基準はその6割で2.4問。事実上2完半解くことが求められている。

必須問題は、行列の計算と偏微分・重積分がよく出題される。この分野はしっかりととっておこう。

選択問題は、整数問題・代数方程式の問題、統計など様々だ。特に『問題5』は何が出るか全く予測がつかない。僕が二次試験に合格したとき、問題作成の依頼があったと記憶しているのだけど、おそらく合格者がつくった数学の問題のなかで特に良い難易度のものを『問題5』として出題しているのだろう。個人的には、ほかの選択問題を解いた方が無難だ。

では、どのような問題集を買い、どのように勉強していくのがいいか、以下具体的に書いていくよ。

(ここまでの内容は以下の動画でも確認できます。)

 

数検1級合格のための問題集・勉強法

数学知識補填にはマセマが超おすすめ

ではここからは、具体的にどういう勉強教材を使えばいいか書いていくよ。

まず、知識の面について。数検1級が扱っている範囲を知っておかないと話にならない。

とはいっても、理系大学生が図書館で借りるような小難しい本を買う必要はない。なぜなら、数検で出題されるのは、各範囲の中では割と表面的というか、込み入っていないものがほとんどだからだ。

すなわち、基本的な理解で十分だ。

そのために役立つのが、マセマシリーズだ。

高校のころ、チャート式という数学の問題集があった。青チャートとか黄チャートとかいうやつだ。

マセマは、それの大学数学版だと思ってくれていい(高校数学用もあります)。

マセマシリーズの中で、『微分積分』『線形代数』『複素関数』『常微分方程式』『確率統計』の5冊。これをやろう(ただし、全部する必要はない。確率統計は講義⑤まででよい。複素関数も講義②まででOK)

とはいっても、一冊当たり2500円くらいするから、図書館で借りる方が経済的だ(大きめの図書館だとマセマシリーズは置いてあることが多い)。

文系の人は全範囲、理系の人は大学で習っていない範囲(統計など)と苦手分野を勉強しよう。

 

一次・二次のそれぞれの教材

とはいえ、これをやるだけで数検1級に合格できるわけではない。もしそうであれば合格率1割台なわけない。

どの科目にも言えることだけど、特に数学は実習が必要だ。知識だけつけても、それに計算力が伴わなければ意味がない。

そこでオススメするのが、合格ナビ!だ。1級では『解析・確率統計』と『線形代数』の2種類が出版されている。


これの優れている点は、数検1級の一次試験に特化しているだけでなく、煩雑な数検1級(特に一次)を攻略する計算テクニックも載っているという点だ。

マセマでは知識的なところを補って、演習はこの合格ナビ!でやることをお勧めするよ。

 

二次試験については、『「完全解説問題集」発見』(以下『発見』)を使おう。

二次試験だけでなくて一次試験も載っているんだけど、過去の問題が7回分掲載されている。

で、この7回分を全部やって、解説まで読み込めば、二次試験についての技能は問題ない。7問×7回分、計49問あるんだけど、この50問をやれば二次試験で落ちることはないとさえ思っている。

実際、数検1級といえども、特に二次試験についてはある程度パターンが限られていることが多い。

例えば整数問題なんかも、一見どこから手を付けていいかわからないかもしれないけど、実際解いていくと、パターンはそれほど多くないことに気づくだろう。

とはいえ、今までできていた範囲の問題が、本番試験では解けなくなる可能性がある。突然頭の中が真っ白になるケースがありうる。

そういうときの対策として、選択問題も全問考えて(解いて)みてほしいよ

 

僕の場合、整数問題はあまり得意ではなかったんだけど、本番の試験では無事解けた。これも、練習で整数問題にも着手していたおかげだと思っているよ。

一次試験もだけど、特に二次試験においては、この『発見』は役に立つ、というか、二次に限って言えば『発見』以外やる必要はほとんどないとさえ思っているよ。

 

まちがえた問題を何度もやろう

数検、というか数学全般の勉強にも言えることだけれど、上で挙げた問題集で、間違えた問題に記を付けよう。

当たり前に思えるかもしれないけれど、きわめて大事なことだ。

というのも、頭ではわかっていても、どうしても計算ミスをする問題というのがある。脳のクセか何かわからないけど、解いていくうちに「この問題、いつも計算ミスするんだよなあ」という問題がある。

僕の場合、行列の計算が大の苦手で、なんど繰り返しても同じミスを犯してしまう。

それを防ぐことができたら万々歳だけど、ただ単にそういう自分のクセに気づくだけでも、例えば本番でどの問題を確実にとるか考える際に役に立つと思うよ。

 

一次試験は45分以内で

また、練習では、『発見』に載ってある1回分(7問)を45分くらいで解けるまで訓練をしておいてほしい。

実際の一次試験は60分なんだけど、いざ本番となると、いつもと違う環境で受けなければいけなくなり、計算スピードが遅くなったり、集中できなくなったりする。

僕自身がまさにそうだった。二次試験免除のため、ほかの1級受験者とは違う教室で受験したんだけど、それがあまりにも意外だった。

小学校低学年の男女が20人ほどいたんだ。

 

どうも、算数検定10級とか11級とかの受験者と同じ教室での受験だったらしい。小学生と同じ教室の椅子に20代の男がただ一人座ってて、気まずさ満点だった。

しかも、ほかの受験者は受験時間40分。どうしても終了時にはざわつく。その間もぼくは問題を解いていたのだけれど、集中が途切れたよ。

 

さすがに僕のようなケースはまれだと思うけど、想定の範囲外のハプニングを見越して、実際よりも短い試験時間で解ききれるように練習しておこう。

 

僕からのアドバイスは以上だよ。

これを読んだ受験者の方が、数検1級に合格できるよう願っているよ(^●ω●^)

 

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