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人権は、拡充される方向に動かなければいけない

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はいどうも、カワウソだよ。

ブラックマヨネーズというお笑いコンビの吉田氏が、何やら炎上している。

というのも、以下のようなツイートをしたからだ。

大阪都構想否決後のツイートだ。直接的には書かれていないが、この投稿と投稿日時からうかがうに、高齢層に選挙権がなければ賛成多数だったというのを言いたいようだ。

もちろんそういう議論はあってしかるべきなのだけれど、それとこれとは別の話だ。

おそらくは炎上商法なのだろう。でなければ著書を持ち込むような真似はしない。

ただ、Twitterではいろいろ言われているが、この「黒いマヨネーズ」が出版されたのは2019年2月。「老人から権利をとりあげろ」なんて意見がかかれていたら、出版されてすぐ炎上しそうなものだけれど、そういう話は聞いたことがない。

……本当に炎上商法なのかもしれないと思っているよ。

 

さて、話を戻そう。

炎上商法に乗っかる形になるのは不本意だが、やはり改めて言わなくてはならない。人権は広がる形で進まなければいけないのだと。

今回は、大阪都構想の話、そして、ブラマヨ吉田氏のような人権統制派の間違いを考えていこう。

 

大阪都構想否決は高齢者のせいとは言えない

都構想否決の理由は、賛否が拮抗したから

11月1日の選挙結果を受けて、「高齢者の多くが反対派だったから、他の世代は賛成多数だったのに結果反対多数になった」という意見がある。

その前(橋下市長時代)の選挙もなかなか結果がいちじるしくて、僕の見たグラフだと、60代までは賛成多数だったが、70代のみ反対多数だった。それはアンケート調査だったからどこまで信頼できるかわからないけれど、いかに高齢者が選挙で影響力を持っているかうかがえるね。

でも、だからといって、今回の都構想が否決されたのも高齢者のせいだというのはおかしい。

 

実際に計算してみよう。都構想の有権者の中で、どれだけの割合が高齢者だったかみてみよう。

大阪市・年齢別推定人口から算出すると、今回の大阪都構想で投票権があったのはおよそ235.2万人(20歳以上、統計が5歳刻みだったことで18,19歳人口は含めない)。そのうち65歳以上の人は70.5万人。つまり、いわゆる現役世代の人数は差し引いて164.7万人ということになる。

さらに、投票率も考慮に入れよう。総務省発表の衆院選投票率の結果から、今回の都構想選挙で、65歳以上(高齢者)の平均投票率を70%、64歳以下の平均投票率を45%と仮定しよう。

この場合、今回の都構想で、投票した高齢者は49.4万、現役世代は74.1万人。比率にして2対3。かなり高齢者(の票数)が多いというのがわかるけれど、まだ過半数というわけではない。これはあくまで推測の値なのだけれど、高齢者世帯が過半数というのはまだないだろう。

おそらく十年後とかは、この比率が1対1になったり、逆に高齢者数が多くなるおそれはある。その点は考慮しなくてはいけない。

しかし、少なくとも今回・前回の大阪都構想においては、「高齢者が反対したから」否決されたわけではない。

そもそも、高齢者が『強く』反対していたわけでもない。朝日新聞『都構想の賛否ほぼ互角、公明支持層も反対多く 出口調査』によれば、70代以上で都構想に反対した人は61%だった。これが70%とか75%ならまだ「高齢者が~」といってもおかしくないが、61%の反対は少し弱い。3人に1人以上は賛成票を投じているわけだ。上で書いたように、まだ現役世代のほうが多いののだから、現役世代の61%が賛成すれば可決となっていた(正確に言えば、現役世代の賛成率が58%でも可決する)。

大阪都構想が否決されたのを高齢者のせいにするというのは、数字でかんがえれば、ちょっとやりすぎではないかと思うよ。

 

基本的な人権は、増やす方向へ

橋下徹の「子供選挙権」には、ある程度同意する

都構想に限った話ではないのだけれど、選挙権のような権利は、より拡充される方向に進むのが一般的だ。

選挙権で言えば、明治時代は、一定金額以上の税金を納めた男だけだったのが、すべての25歳以上の男子になり、戦後、20歳以上の男女に、そして、18歳以上の男女になった。(途中いくつか省略しているかもしれません。ご了承ください。)

これが逆になると、政治の在り方を決められる人が少なくなってしまう。中には以下のように人権を統制したがる人もいるようだけれど、国民の生活を大きく左右する政治は、なるべく多くの国民が決めた方がいいだろう。

 

かずくん氏のツイートでいうと、収入の高い人が多く票を取ってしまえば、「収入の低い人が損をする」政治になりかねない。例えば、消費税が50%になったとしても、収入の低い人は反対できない。

老人の選挙権を奪うというのも同じだ。そうなれば、例えば年金が減ってしまうかもしれない。あるいは、「70になったら国の財政のために安楽死してください」みたいな法律ができかねない(昔そういうタイトルの小説があった)。さすがにこれは極端な例だけれど、高齢者にかなり不利な法律が作られてしまう恐れは十分ある。自分が将来高齢者になるにもかかわらず、だ。

この選挙権(あるいは被選挙権)で言えば、収入や年代で人権を制限してしまうと、その権利のない人が生きづらくなってしまう。だから、人権は拡大されるべきだと思う。

もちろん、実際にはさまざまな理由で人権が制限されることがある。僕はアメリカ大統領選挙の選挙権はないし、国内にいても、外国人や18歳未満の人には選挙権はない。これらは、やはり外国の影響を受けないためだとか、未成年の判断能力を加味してとか言うのがあるだろう。

ただ、そういう人達のことも考慮されていた方がいい。だからといって無批判的に彼らに選挙権を与えるわけにはいかないけれど、問題を解決する形で、疑似的に選挙権を与えることには賛成する。

例えば、橋下徹氏は「こども選挙権」といって、子供をもつ親に複数の投票用紙を与えようと主張しているのだけれど、僕もそれには同意している。

とにかく、権利は広がる方向に、より多くの人が享受できる方向に進むべきだと考えているよ。

 

 

なぜ、権利を与えるのか

権利と責任はセットだ

また、選挙権に限ったことではないけれど、「権利を持つこと」は同時に「責任を負うこと」だとも思っている。

実際そういう面があるだろう。僕たちには選挙権があって、それを行使することで与党が決まる。

一妻は圧力団体とかもあるけれど、実際政権交代は怒ったことがあるのだし、まったく無力というわけでもない。それで、選挙に行かなかったのに政権に反対するのはやはり筋違いだろう。

児童にいくつかの権利が制限されているのもそれが理由なんじゃないかな。少年法が通るのも、責任能力の欠如が理由とされている。

 

ブラマヨ吉田氏の「老人から選挙権をとりあげろ」というのは、逆に言えば、高齢者は政治に責任を負わなくていいということにもつながる。

単純かもしれないけれど、高齢者から選挙権を取り上げると、彼らが、何も失うことがないから逆に好き勝手出来る集団、ネットスラングでいうところの「無敵の人」になってしまうかもしれない。

「老害」という言葉を耳にする機会が増えたけれど、もし高齢者が選挙権を失えば、より彼らがそうなってしまうのではないかな。

 

かずくんも同じだ。収入で選挙権の有無が決まってしまえば、今以上に「無敵の人」が増える。それを出さないためにも、制限選挙の考えは抱くべきではないだろう。

 

今回はここまでだよ。

より多くの人が権利を得、かつ問題を起こさないためにはどうすればいいか真剣に考えていこうね(^●ω●^)

 

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