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「どう考えても」と言う人は大抵そんなに考えてない 強い言葉を使う人の脳内

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はいどうも、カワウソだよ。

何か主張をする時に「どう考えても」という言葉を使う人は多い。Twitterでもよく見かける。

これが、日常のちょっとした意見であればまあいいものの、大阪都構想のような重大な話においても、「どう考えても」というフレーズを使用する人がいるのを見た。

でも、よく考えてみると、この言葉が本来の意味に則って使われることはほとんどないのではないかな。

率直にいえば、「どう考えても●●だ!」といって主張する人は、その言葉に基づけばいろんな考え方をしているはずなのだけれど、実際はほとんど、あるいは一通りも考えていないのではないかな。

今回は、『どう考えても●●だ』といっている人の思考回路について考えていこう。

 

「どう考えても」はどのように使われるか

「どう考えても」を使う人は、どう考えても考えていない

まず、人が「どう考えても」を使用するケースを考えてみよう。もとの言葉の意味からすると、「Aという観点ではこうこうこうでダメ、Bという観点ではこれこれでダメ、Cという観点でも、こうこうこういう理由でダメ。したがって、どう考えてもダメだ」というのが本来この言葉が意味するところだ。

すなわち、「どう考えても」は、本来は「いろんな考えをしたが、その結果どの場合も」という意味になるだろう。

しかし、本当に、そういう意味で使っているだろうか。すなわち、「どう考えても」という人は、本当にいろんな考え方をしているんだろうか?

おそらくなのだけれど、「どう考えても●●だ」といっている人に、「どう考えたのですか?3つその思考方法を説明してください」というと答えられる人はほとんどいないんじゃないかな。

実際3つ以上の方法で考えた人であれば、確かに「どう考えても」を使っていいと思う。というのも、3つ説明するのは結構時間がかかるからだ。ある程度丁寧に説明しようとすれば2分くらいはかかるだろう。それを省略して「どう考えても」というのは理にかなっている。

ただ、その場合においても、「どう考えても」と論理的に言うことはできない。A,B,Cという考え方で主張しても、それを否定するDという考え方があるかもしれない。「どう考えても●●だ」というのであれば、「××という考え方をすれば●●にはならない」という『××の考え方』が存在しないことを証明しなければいけない。経験上、そこまで厳密にこの言葉を使っているであろう人とは出会ったことがない。

とはいえ、個人的には3つくらい理由を言えば、「どう考えても」を使っていいとも思っている。厳密な意味でしか言葉をつかえないのであれば、「全然あり」などの言葉も禁止されてしまう。このくらいの許容は必要だ。

ただ、実際は、3つ以上の考え方をもって「どう考えても」という人もまた少ないんじゃないかな。

 

「どう考えても」は何も説明できなくても説得力をもたせる

実際のところ、「どう考えても」と主張する人の多くは、どういう考えでその結論に至ったか、その方法を1つしか、あるいは1つも持ち合わせていないんじゃないかな。

というのも、この言葉、論理的な説明が苦手な人にとってすごく便利な言葉なんだ。

「どう考えても」といえば、何も考えていなくても、文面上は「いろいろ考えたけど、」ととらえることができる。字面通りにとらえれば、「どんな考え方をためしても●●という結論に至る。これに反論するのは無理だ」という意味合いになる。さらに言えば、「反論しようとするあなたは十分に思考していない」という侮蔑的な意味を含むおそれもある。

これについては、「では具体的にどのように考えたのですか。一つ例示してください」と反論できるのだけれど、それを実際にやれる人がそのくらいいるだろうか。これをするには、無知とか無能を装わなくてはならない。あえて無知なふりをして質問することは健全な議論のあり方としては正しいのだけれど、日本ではディベートの技術がまだ十分でなく、こうする人は少ない。

そもそも、反論される以前に、「どう考えても」はなんとなく説得力を持つから、それだけで賛同してしまうケースが大半だろう。そう考えると、「どう考えても」という言葉は、何もない人が自論に説得力を持たせるにおいて大変便利な言葉なんだ。

 

「どう考えても」の対処法

反例を持ち出せば一瞬で論破可能

では、この「どう考えても」論法にどう対応していくか。

まずは、先ほど述べたように「具体的にどう考えたのですか」と質問しよう。

国会答弁などでも、官僚や政治家が「ご案内の通りに」ということがあるそうなのだけれど、そういう場合に「ご案内って何ですか。大切なことだからちゃんと説明してください」と質問すると言葉に詰まるそうだよ。それと同じだね。

また、具体的に「こう考えれば●●って結論にはならないと思うんですけど」と反例を挙げるのもアリだ。個人的にはこちらをオススメするよ、

というのも、「どう考えても」というのは、論理的に言えば「反論することは不可能」なのだから、それに具体的に反論して「反論可能」としてしまえば、「どう考えても」は間違いだということになってしまう。

「どう考えても」はなんとなく説得力を持つ言葉だけれど、いったん反論されたらすぐに論破されてしまう、諸刃の剣だ。

論理的思考力のある方は、具体的な思考回路を説明して、この言葉を使わないようにしてほしいよ。

 

今回はここまでだよ(^●ω●^)

 

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