元メンサ会員のカワウソのブログ。脳科学・IQ・ブログなどについて書いていきます

カワウソは考える。

発達障害

発達障害者は障害ではないかもしれない

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はいどうも、カワウソだよ。

近年、障碍者に対して、徐々に理解が進んできた。バリバラなどの番組のおかげで、『障害はそれ即ち不幸ではない』ということが徐々にではあるけれど浸透しつつあるように思える。

しかし、まだまだ誤解されている部分があるかもしれない。あるいは、障害を持っている人自身でも気づいていないことがあるかもしれない。

今回はそこに踏み込んでいきたい。すなわち、『障碍者は障害(障碍)ではない』ということを考えていきたいよ。

前々から思っていたことなのだけれど、このコロナ禍を受けて一層この考えを確信するようになったんだ。今回は、障碍者は必ずしも障害を持っているわけではないということについて考えていこう。

本来は身体障害者その他障害を持つ人全般について取り扱うべきだけれど、その中で今回は。比較的自分が知っているところ、発達障害に限って書いていく。とはいっても、その他の障害もまた、障害ではない可能性も十分あるので今後ぜひとも考えていきたいところだよ。

 

アスペルガー気味の人達が、コロナ自粛で活躍した

要請順守は緊急時において必要

自閉症スペクトラム、いわゆるアスペルガー症候群の人、あるいはその診断をされていなくてもなんとなく自分のことをそれに近いと思っているような人は、むしろ今回のコロナ禍で活躍したと言えよう。というのも、彼らは決まりをちゃんと守ったんだ。

アスペルガー症候群の人の特徴として、融通が利かない、ルールを守りすぎるというのがある。例えば、車が走っていない時なら赤信号でも多くのひとは「大丈夫だろう」と判断してわたってしまう。それは、交通ルールと別に自分で判断する能力があるからだ。しかし、アスペルガー症候群の人はこの能力に乏しい。あるいは、合っても実行しないことが多い。だから、たとえ車一台走っていなくても、青信号になるまで待つ。何せ僕自身がこのタイプだった。今では多少改善しているものの、『右側通行』と書いている駅の階段では、どれほど右側が混んでいようとも左側に行くことはできなかった。『しなかった』のではなくて『できなかった』というのが自身の感情として近い表現だ。

で、こういった過剰ともいえる法令順守が、コロナ禍では役立ったと言えよう。正直交通ルールを自分の判断で破ること自体あまり褒められたことではないのだが、コロナ自粛を破るのは余計に危険だった。というのも、このウイルスが新しいものである以上、『自分の判断』がどこまで正しいかわからないんだ。だから、自分の判断で外出解禁するのは、自分の判断で赤信号を渡ること以上に危険な可能性があったんだ。

こういう、誰もその脅威が分からない時においては、決まりを守るアスペルガーの人のほうがよほど優れていると言えよう。

異常気象が起きている今、あるいは情報社会である今、むしろアスペルガー的な人のほうが強くなる素質がある。

というのも、今後、過去に例がない状況がより頻繁に起こっていくからだ。そんな中、自分の判断というのが役立つ可能性はますます低くなる。自分で調べようにも限界がある。今からコロナウイルスについて勉強しても、医者・研究者にはかないようがない。

そんな現代において、専門家・研究者の判断に従う意味はますます大きくなる。もちろんそういう専門家や知事が正しい判断をしているという前提が必要であり、現実には政治的なものがはたらいて完全にうまくいくことは少ないだろう。だけど、かといって自分の乏しい判断に基づいて行動したところで成功率はたいして高くない。

そもそもこういう『自分の判断』で行動するのは、判断というよりも欲望が勝るところが大きいと考えられる。すなわち、冷静に判断すれば外出がまずいのに、ただ外出したいから『自分の判断』で外に行こうとするのが普通の人だ。人はそれを『勝手』という。

そういう勝手な行動をしないという意味で、むしろアスペルガーの人が今後生き残っていく可能性は十分にあると思うよ。

 

ADHD的な素質はむしろ今求められている

多様性社会において『冒険家』は歓迎される

で、その逆というか、ADHDにも当然勝機はある。むしろこちらもまた、将来ますます求められる人材となるだろう。

アスペルガー症候群とADHDとはよく一緒にされることが多いけれど、その性格・性質はまるで逆だ。多動で、注意力がない。このタイプの人にとって、外出自粛は情人以上にしんどかったと思う。アスペルガー症候群がマニュアルをきっちりこなす、逆にマニュアル以外のことが苦手なのに対して、ADHDはマニュアルを読むことが苦手なんだ。

このタイプは、その多動性を活かしていこう。そして幸か不幸か、多動性が求められる時代がもう到来している。

20年前の人がタイムマシンで現在にやってきたら相当驚くだろう。100年前ではなく、20年、あるいは10年かもしれない。それくらい、時代の変化が激しい。

そんな時代において、今までやってきた通りのことをするだけの人は不要となっている。自分の頭で考えて、いや、むしろ考えずに行動しなければいけい部分もある。予測が難しく、不確実性の高い時代になりつつある。

そんな時代で、ADHDはとてつもない才能を発揮できる。ホリエモンのような、興味のあるところに飛びつく人が成功していく(ホリエモンも、著書で多動だと告白している)。

人間は考えると行動をストップさせてしまうことがある。それはリスクだらけの人生というゲームでは必要なことなのだけれど、そのリスクを冒して不確実なことに挑んでいく必要がどんどん増えていっている。そんな中でADHDは絶対になくてはならない。

ADHDの持つ不注意性もまた活かすことができる。一見結びつかないようなことが結びつくことだってある。スティーブ・ジョブズはカリグラフィー(西洋における書道)の授業(大学中退後もクラスに潜入していた)がApple製品のデザインに役立ったと語っていた。そのように、一見役立たないもの、結びつかないようなことが結果的に素晴らしいものに昇華していく。そんな時代だと、冒険家のADHDは相当重宝されると思うよ。

 

 

『弱き者』はそれ自体が強みとなる

『代わりにこれができる』ではなく、『できない』ことそのものが長所になる

さらに、以下は障碍者全般に言えることなのだけれど、『何かができない』ということ自体がすでに長所なんだ。

今まで、特に発達障害の人は、例えば「アスペルガーの人は●●が苦手だけれど、××は人並み以上にできる」という扱いを受けてきた。実際、発達障害もちの中には尋常でない集中力を持ったり、人と違う発想をしたりする人がいる。僕自身、この記事の上部ではそういう××の点に注目して書いた。「この人たちが得意なこと」に着目して、記事を書いてきた。

しかし、それだと、その××の部分ができない人はどうなのだろうか。発達障害にも千差万別、『●●ができないし、一般にこの障害の人が得意とする××もできない人』というのも当然いる。では、そういう人は価値がないのだろうか。

ぼくは、そうではないと思っている。むしろ、障害を持っている『弱み』そのものが、今社会全体で見ると『強み』と化している時代になると確信している。

 

例えば、『物忘れを頻繁にする新人の社会人』について考えていこう(以下Aさんとする)。実際ADHDの人はケアレスミスをすることが多い。一見、この物忘れをするという特徴は弱点となる。一個人で見た場合、正直これが長所となる場面は相当限られてくるだろう。

しかし、この人のことを観察し、どうすればミスが減るか、周りが考えていくとどうなるか。

例えば、『今まで以上に記録をはっきりと書く』という方法を取るとしよう。この場合、今まで記憶に頼っていたこともすべて記録化され、その結果より情報伝達の正確性が上がることが予想される。その結果、働きやすい会社として名を挙げるかもしれない。

つまり、発達障害の『できない』部分を周りが助けることによって、どんどん働きやすくなっていくことが考えられる。

で、この『働きやすさ』、これに関してはほぼ確実に需要が高まっていく。日本はどんどん高齢化していくし、かつお年寄りが年金だけでは暮らせなくなっている。企業の側からしても、労働力を保つために高齢者の人に働いてもらう必要がますます増えていくだろう。

そして、一般的に、高齢者の方は物忘れとか、体力とかの面で若い世代より劣る。そういう人達にはたらいてもらうためには、働きやすい仕事環境を提供する必要がある。

発達障害の人が働きやすい会社にすることで、ほかの人もはたらきやすくなり、その結果離職率がへったり、あるいは高齢者の働き手を迎え入れることができる。これは会社にとって大いにプラスだろう。弱い人が働ける会社は、強い人、普通の人がすごく働ける会社なんだ。

障害を抱えている人は、その代わりにもっているものだけではなく、その人の『弱さ』そのものが、会社にとって『強さ』となっていく。

今以上にもっともっと、弱いとされている人を助ける社会になれば、障碍者の弱さを強さにかえることができる。個人単位で見れば弱点かもしれないけれど、社会全体で見ると十分長所になる。その意味で、障碍者は『障碍者』でなくなっていくものではないかな。

今回はここまでだよ。

障碍の有無にかかわらず、すべての人が暮らしやすくなることを心から望んでいるよ(^●ω●^)

 

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