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IQと数学力の関係を考える

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はいどうも、カワウソだよ。

先日、専攻科目ごとの平均IQに関するウェブページを見つけた。

kyoto-u.com > 談話室 > 議論 > IQと専攻分野の関係

これによると、専攻分野のIQが最も高いのは物理学(130.0)で、ついで数学(129.0)、コンピュータ科学、経済学、化学工学、物質科学……と続くらしい。

どうも、理系のほうがIQが高いという認識ができそうだ。物理学専攻の僕としてはちょっとうれしかったりするよ。

 

理系と文系の違いはというと、おそらくその一つに数学があると思われる。

もしかして、数学がIQと関係しているのでは?と思い、今回はその相関関係について考えていくよ。

 

抽象化の能力と論理的思考力は高IQのしるし

数学は最も抽象化の必要な科目

『頭がいい人は数学ができる』というと、確かにそれっぽく聞こえる。

では、その『それっぽさ』の理由をIQと関連させて考えていこう。

 

IQの高低をどう計測するかにもよるのだけれど、IQはものごとを抽象化する能力と関係している。

一般的なネットのIQなどでは、規則性・法則性に気付くかどうかがカギとなってくる。

例えば、ある知能検査では「顔と口の関係は、枝と何の関係とおなじでしょうか」という問題が出される。この場合、顔と口がどういう関係だけを抽出して、それ以外の口や顔の情報は排除する必要がある。

こういった、抽象化する能力が、知能の高さとかかわってくるんだ。

 

その点で言えば、数学は最も抽象的な思考とかかわっているだろう。

ウサギ一匹もシャーク一匹もまとめて『1』とあらわす。中学高校に進むと、二次方程式やら微分積分やらを習う。

小学校の頃はたかし君や花子さんが出てきてまだ想像しやすかったけど、いつのまにかそういうのがなくなって、生活から離れしたものになってしまってる(実際は生活、特に物理学と密接にかかわっているし、バンバン使うのだけれど、物理を履修していない人からすると数学もまた意味わからないものに感じられるのだろう)。

理科でもまた計算を使うけれど、それは何か具体的な問題を解くために使われる。抽象的思考の度合いで言うと、数学のほうが一枚上手だ。この能力が低いと、公式を丸暗記してもあまり対応できない。

数学が得意な人は、抽象的思考が得意だという点で、知能が高いのだと予想されるよ。

 

『この発想はなかった』が脳に快感を与える

また、数学といえば論理的というイメージがあるかもしれないが、ある程度高度になると、それだけでは解けない。

「背理法」というのがある。

あることを証明するために、「もしそうじゃなかったら……」と仮定して、矛盾を導くやりかただ。

でも、この問題は背理法で解くのか説明してくれといわれると、それを論理的に説明するのは難しい。単に「これが一番やりやすいから」とかしか言えないと思う。

要は、結局は発想なんだ。

 

あるいは、整数問題で、『両辺を3倍する』というやり方がある。

なぜ3倍するのかというと、それでうまくいくからだとしか言えない。

あるいは、有名中学の算数の入試問題もまたこれに近い。正攻法というか、真っ向勝負だと解けないけど、ちょっと発想を変えてみるとすんなりとける問題がある。

いわゆる、『補助線を引く能力』だ。補助線といっても幾何に限らず、代数的な問題であっても、この能力が試されることがある。

となると、違った見方で考える能力は、数学の能力と相関があるのではないかな。

 

 

ネタバレ:理系の『IQ』が高いのは当然だった。

ここでいう『IQ』は何か

さて、ここまでいろいろ書いてきたけれど、こういったものでは説明できない部分がある。

上のデータで、なぜ物理学が数学より上なのかだ。

今の説明では、理系が文系より数学が得意なケースが多く、したがってIQも高くなるということは説明できるけれど、物理が数学より(1ポイントではあるが)IQが高いことを説明できない。

と、ここでネタバレをしよう。ここでいう『IQ』は、どうも医学的に正しい知能指数ではないんだ。

このスレッドで引用されているのは、Information Processingという論文のようだ。

ここで、この論文に

You may find it odd that I converted the results from GRE score to IQ, widely regarded by the politically correct as a discredited measure of intelligence. For a rebuttal of this often repeated, but scientifically unsupported, point of view, see, e.g., Steve Pinker’s book The Blank Slate, or any academic research of the type excerpted below.

(拙訳)私はGREをIQに置き換えた(IQは、政治的正しさによって、知性をはかるにあたり信頼できない手段だと広く認識されている)。これに関して奇妙に感じるだろう。この、よく繰り返される意見への反論として、科学的には支持されてはいないが、一つの味方として、The Blank Slate(Steve Pinker)や、以下引用した学術調査を見てほしい

とある。

ここでいうGREとは、アメリカやカナダの大学院に入るための学力試験だ。

そこにおいて、論文・英語・数学が出題される。

この総合得点をIQに換算しているようだ。

 

これを知ると、理系の得点が文系より高いことも納得がいくね。

論文や英語は、文理の差がそう大きくはない。少なくとも、数学の得点ほどつくわけではないだろう。

また、物理が数学より高い理由も説明可能だ。

数学専攻が数学は点が高いがほかの科目で低く、物理専攻がまんべんなくそこそこに点を取れていれば、平均『IQ』で後者が高くなるのもうなずける。

このGREの点数をIQとして計算してしまったことが、『数学<物理』の関係を生み出した一因ではないかと考えているよ。

 

今回はここまでだよ。

結論だけに注目せず、どのような調査方法で行われたかも考えていこう(^●ω●^)

 

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