元メンサ会員のカワウソのブログ。脳科学・IQ・ブログなどについて書いていきます

カワウソは考える。

脳・IQ

IQが高いことと天才であることは違う

更新日:

 

はいどうも、カワウソだよ。

先日天才について考えたことがあるけれど、それに関する補足の意味もこめての記事だよ

メンサ会員が天才の特徴を考えてみた

とある心理学者が天才の定義としてIQ145以上と書いていたので、それを使って記事にしたのだけれど、いわゆる天才であることと、IQが高いこととは微妙に異なる部分がある。

今回は、その点についてかんがえていこう。

 

IQに関する間違った認識

IQはあくまでも『問題解決能力』の程度を見ているだけだ

そもそもIQが高いというのはどういうことか考えてみよう。

メンサ試験など非公式のものであれ、WAISのような正式な検査であれ、IQ検査では解答が存在する。あるいは、採点基準がある。

例えば数字を暗唱したり、パズルをなるべくはやく解いたりして、正解率や速度によってIQは測定される。

ハイレンジのような難しいものなど本当に多種多様なのだけれど、そういうものはすべて、結局のところ答えのある問題をどれだけ早く(あるいは正しく)答えられるかの検査に過ぎない。

 

しかし、天才と呼ばれる人は、答えの分かっている特定の問題を迅速に解けたから名を残しているのだろうか。そうではないだろう。

確かに、模範解答のある問題を解く力も必要だろうけれど、そういったテストの正答率が天才性を直接示すものではない。

少なくとも歴史上の人物で『天才』といわれるような人は、それまで誰も思いつかなかったようなことを成し遂げたから天才と呼ばれているのではないかな。

ニュートンやアインシュタインなどの数学者・科学者がいい例だけれど、そういった天才は、与えられたものを素早く解く能力ではなく、新しく何かをしたから天才として知られているのではないかと思うよ。

 

IQ188で日本一のIQを誇るといわれている太田三砂貴さんがテレビに出演し話題となっていたけれど、彼がアインシュタインよりIQが高いからといって、アインシュタイン以上の実績を残せるかというと、そういうわけではない。

実際、ギネスブックに「世界一のIQ保持者」として掲載されているマリリン・ボス・サバントさんやキム・ウン・ヨン氏がすばらしい論文を発表している、というのはきかないよね。(キム氏に関してはまだ現役の研究者なので可能性がないわけではないが)

IQが高いからといって、その人が天才的な業績を残せるか否かは別問題なのではないかな。

親は高IQの子供をどう教育するべきか

 

IQと独創性の関係

「天才は高IQ」は正しくても「高IQは天才」は正しくない

とはいえ、天才性とIQとが全く関係ないかというと、そういうわけではない

ただ、IQの高さと天才性は、「まあまあ」関係があるというのが実際のところのようだ。

 

例えば、あるイギリスの名門高校に通う生徒の独創性をテストした結果がある。

そこで、プールという生徒は毛布の使い方として、とある生徒は「森で不純異性行為をする際に隠す」「近眼の人が射撃を練習するときの的」「燃やしてのろしをあげる」というように非常に面白い回答をした。

一方で、その高校で最も高いIQの持ち主とされたフローレンスという生徒の答えは「身体を暖める」「覆って火を消す」といった、ごく普通の回答だった。

比較対象としての、一般的な高校生の事例が書かれていないからわからないけれど、プールのような独創性に富む人が名門高校にいる一方で、フローレンスのように、高いIQの持ち主であっても独創性は平凡的な人もいるようだ。

 

さらに、もっと大規模な例をあげてみよう。

ノーベル賞の自然科学分野を受賞したアメリカ人の出身大学の中を調べると、コロンビア大学やMIT・ハーバード大学などの名門校がある一方で、イリノイ大学やノートルダム大学といった、正直聞きなじみの薄い大学も含まれている。ケンタッキー州立ユニオンカレッジなどというカレッジも存在する。

(参考書籍:天才! 成功する人々の法則

 

日本でも、東大や京大出身者がノーベル賞をとっている一方で、山梨大学(大村智)や徳島大学(中村修二)など、地方国立大学出身者も受賞している。

すなわち、ノーベル賞級の発見をするためには、徳島大学や山梨大学に入るレベルの学力はいるけれど、東大レベルの学力や知能は必ずしも必要ないということがわかる。(日本ではIQと学力が必ずしも一致しているわけではないけれどね)

(余談だけれど、茂木健一郎氏は著書「超・東大脳」の中で、アメリカは無名大学からもノーベル賞受賞者を輩出していることを挙げて、日本の偏差値教育を批判していたが、日本の地方大学からノーベル賞受賞者が出ていることには触れていない。日本の大学を批判したいあまりに客観性を失っているように見えるよ)

天才は平均的以上のIQを持っているというのは確かだろうけれど、IQの高いひとが必ずノーベル賞級の発見をするかというと、そうではないようだね。

 

今回はここまでだよ。

まとめると

IQが高いというのは、問題解決能力に長けていることを指し、問題を作る能力や、答えのない問題を作る問題と直接は関係がない。

ノーベル賞受賞者のIQや学力は確かに十分に高いが、その相関性は強くなく、優れたIQの持ち主が必ずしも天才的な発見をしたり世界を驚嘆させる作品を残したりするわけではない。

ということではないかな。

 

 

 

 

-脳・IQ
-

Copyright© カワウソは考える。 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.