はい、どうも、ヤマダカワウソだよ。
今日も頑張っていこう。
近年、市民権を得た言葉の一つに、『老害』がある。
高齢者の中で、暴言を吐いたり、店員に理不尽なことを言ったりする人のことを言うね。
最近では、例えば高速道路を逆走し事故を起こす高齢者のようなのも『老害』と扱われるよ。
今回は、なぜこのような『老害』が目立つようになっているのか、考えていこう。
なぜ老害は出来上がるのか
脳機能の低下
まず第一に考えられるのは、脳機能の低下だよ。
良く知られているように、同じ人間でも、成人以降は年を重ねるにつれて脳の機能が衰える。
とりわけ衰えが著しいのが、流動性知能と呼ばれるものだ。
流動性知能は、例えば、論理的な推理に基づいて判断したり、地図を見て理解したりする能力。
一般に言う「頭の良さ」はこの流動性知能のことをいうよ。
加齢によって、この知能は減少していくんだけれど、60代までは意外にもほとんど衰えない。
しかし、70歳を過ぎてからは急速にこの流動性知能が衰えていく。
(参考サイト:長寿ネット)
この急速な流動性知能の衰えにより、頑固になったり、自分が逆流していると気づかなかったりするんだね。
フリン効果
若い世代ほどIQが高い
しかし、老害といわれるのは、果たして全員が全員70代以上なのだろうか。
老害といわないまでも、理不尽な請求をしてくる人は50代60代くらいの人の中にも見かける。
脳が老化していないとしたら、それはなぜなのだろう。
実は、人間は世代が進むにつれて知能が高まっているんだ。
フリン効果と呼ばれるものだよ。
これによると、人々の平均IQは10年ごとに3ポイント上がっているそうだよ。
1960年の20代の平均知能が100だった国では、2000年の20代の平均知能は112になるということだね。
逆に言えば、若い世代の方からすると、年配世代は、判断力や推理力が、老化の分以上に劣って見えてしまう。
だから、老害扱いされかねないのではないかな。
将来老害は増えるのか
僕らが老害化する可能性は十分にある
フリン効果はなくなってきている
さて、では将来老害は増え続けるのだろうかを考えていこう。
実は、先ほど述べたフリン効果、すでに先進国では効力を失っている。
ノルウェーの研究で、ノルウェー人男女の誕生年と、18歳または19歳時点でのIQの関係を調べた。
これによると、IQの上昇は1975年生まれをピークとして、それ以降は1世代(約30年弱)ごとにIQが7ポイント減っている。
となると、さっきうえに書いた
「老害の原因は、年配世代の知能が低いから」という仮説は成り立たなくなる。
むしろ、
「彼らの20代だったころと比べて現代の20代は能力が低い可能性があり、それが老害化の一因ではないか」ということになる。
となると、今後この、負のフリン効果が続けば、僕たちが今できるようなことが、将来の若者はできなくなっているかもしれない。
そうなると、それに呆れて小言の一つ言ってしまう、老害になってしまう虞もあるね。
老害化しないための対策
弱い者のことを考える・柔軟に考える
では、老害化しないためはどうすればいいだろうか。
一つ提案するのは、『弱い者、弱い立場の人にも差別しない』こと。
自分ができて当然だと思うようなことでも、脳機能的にできない人はいる。
だから、「なんでできないの?」という言葉を嘲笑の意を込めて発したり、「なぜできないの!」と怒ったりしないこと。
そして『自分と違う意見にも柔軟に対応すること』
新たな事実、自分の知らなかった事実を知ったら、それを柔軟に検討し、自説が間違っていたら訂正すること。
こういう能力を若いころから身につけておくと、老害化しにくくなるのではないかな。
今回はここまでだよ。
世の中の高齢者が、より健全になる未来になってほしいな(^●ω●^)
コチラもオススメ!