はい、どうも。ヤマダカワウソだよ。今日も頑張っていこう。
2019年1月19日・20日、センター試験を受験された方、お疲れ様だよ。この記事が公開されている時点ですでに脳が二次試験モードに切り替わっているのではないかな。
(ちなみに、センターを受けそびれた人は早稲田大学の受験をお勧めするよ。なんだかんだいい大学だよ。)
さて、二次試験、特に私立大学文系学部の試験で避けては通れないものがある。
それが、用語・単語の暗記だ。
僕は理系学部生だから詳しくないけれど、私立大学の文系学部の入試は、知識量がモノをいう試験ではないかと思っている。
特に暗記力が要るのが、社会と英語だろう。
特に社会は、知識量が試される。私立の入試だと、国立よりも規制が少ないからか、とんでもない問題・出してなんの意味があるのかわからない問題が出されることがあるね。
僕自身は、丸暗記が苦手だし、受験で過度な暗記に頼るのは良くないと思っているけれど、受験直前期にそんなこと言っても仕方ない。
受験改革・教育改革なんてものは、受かってから考えればいい話だ。
やはり、有名私立大学に合格するために、丸暗記が必要な人だっているだろう。
今回は、そんな人に向けて、脳科学的に効率のいい暗記法を調べたから、読んでくれると嬉しいよ。
(以下、引用元は特に説明がない場合すべて
使える脳の鍛え方 ピーター・ブラウン、ヘンリー・ローディーガー、マーク・ダニエル著
です。)
想起学習の効果
『7回読み』より『7回解き』
結論から先に言おう。
最も良い暗記法は、想起学習だ。別の表現をすれば、テスト学習だ。
2010年、ニューヨーク・タイムズ紙に以下のような研究結果が紹介されたよ。
学生のグループがテキストの一節を読んだ後、どれだけ内容を思い出せるかテストを受けた。別のグループは読んだあとテストを受けなかった。すると驚いたことに、一週間後、テストを受けたグループは、受けなかったグループより50パーセントも多くの情報を覚えていたのだ。
さらに、1917年に発表された論文でも、教材を繰り返し読むよりも、一人で暗唱する時間を作った方が多くのことを覚えており、最も効果が高かったのが、学習時間の60%を暗唱に費やしたグループだったと書かれているよ。
東京大学を首席で卒業した山口真由さんは、繰り返し読むという『7回読み』勉強法を推奨していたけれど、脳科学的には、7回読みよりも7回解きの方が効果があるということだね。
ちなみに、山口真由さん自身も、全部が全部7回読みというわけではなく、数学などは7回解きをしていたそうだよ。
また、7回読みにおいても、「5回目からは『たしかこうだったな』と内容を思い出しながらよむ」と、想起学習的読書が推奨されているよ。
学力の高いフィンランドの教育制度をまねして、日本でもテストをなくそうとする動きが一部界隈でもあるけれど、物事を理解したり覚えたりするにあたっては、テスト学習が一番効果がたかいんだね。
記述試験でも想起学習は効果あり!?
しかし、当然単語の暗記だけで解ける問題というのはたかが知れている。
英語なんてその骨頂だろうし、社会科目でも、記述問題が出題される。
しかし、記述式の問題に対しても、この想起学習・テスト学習は効果があるようだ。
ワシントン大学の国際政治経済の授業で、アンドリュー・ソーベル教授はある改革をした。
それが、試験の数を3回から9回に増やすことだった。(最初は2つだったが、途中で1つ増やした)
最初は抜き打ちテスト方式にしたけれど、うまくいかず、最終的に成功したのは、学期中に9回テストがあることをはっきりと知らs、実施日も明記したケースだったよ。
その結果どうなったか。ソーベル氏は次のように答えている。
「授業中の議論の質もずいぶんあがった。三つの試験を九回のテストに変えただけで、学生の答えにも大きな変化が現れた。」
テストの回数を増やすだけで、成績が上がるだけでなく、学生がより高質な議論をできるようになったそうだ。
学期末には学生に講義内容に沿った短いレポートを、ときには1ページ分書かせることもあるが、提出されるものは上級講座に匹敵する出来栄えになっている。
テストの回数をふやすと、レポートの質も上がったという。
ここから、テスト学習は記述問題にも効果的だということがわかる。
例えば、東京大学の世界史では、「18世紀のヨーロッパについて、以下の単語を使って記述しなさい」といった問題が出題される。
こういった、用語の丸暗記では対応できない問題に対しても、想起学習は十分効果的だということが言えるのではないかな。
暗記カードを何回もめくったり、同じ問題集を何度も解いたりして、何回も思い出すことが大事だということだよ。
集中練習は効率が悪い
間隔練習
記憶するにあたって、同じ科目の同じ単元を一気に何度も練習するというやり方がある。
短期集中とうやりかただね。いわゆる一夜漬けというやつだ。
しかし、こういう集中学習は、記憶の定着にさほど貢献しない。
むしろ、時間をかけて学習した方が、より記憶に残るそうだ。
ある、38人の外科研修医の実験を紹介するよ。
彼らは毛細血管を再接合する兼備手術について4種類の研修をうけた。
(中略)
研修医の半分は、通常のスケジュール通り1日で4つすべてを受講した。残り半分も同じ内容を学んだが、一週間に一種類ずつ、四回受講するペースだった。
最後の講義から一か月後に行われたテストでは、(中略)すべての項目について、一週間に一度のグループの方が、一日で学んだグループより優れた結果をだした。
これは僕自身も経験していることだけれど、1日2日で詰め込んでしまうと、忘れるのも早くなる。
じれったく感じるかもしれないけれど、勉強は途中まででおわらせて、ある程度のんびり学んでいった方が定着率は上がるようだね。
交互練習・多様学習
さらに、もう一つの点から、集中学習の欠点が明らかになっている。
というのも、いろんな科目や分野を交互に学んだ方が、長期的に記憶に残るんだ。
ふたつのグループに分かれた学生が、四つの立体の体積の求め方を学んだ。そのあろ、ひとつのグループは立体の種類ごとにひととおり練習問題を解いた。もう一つのグループも同じ問題を与えられたが、内容は立体ごとにまとまっておらず、順不同だった(交互練習)。
(略)
立体事に問題を解いた(集中学習)学生の平均正解率が89%だったのに対し、交互に解いた学生の平均正解率は60%だった。
ところが、一週間後の最終テストでは、種類別に解いたグループの正解率20%に比べ、交互に解いたグループの正解率は63%だった。最初に学んだ時には成績が伸び悩んだ交互練習だが、最終テストの結果はむしろ勝っていたのだ。
同じ数学の問題でも、ずっと確率の問題をやって、完成したら体積……とやるのではなくって、確率の問題を解いたら次に体積、その次に方程式、といったように、ジャンルごとにわけずに勉強した方が、最終的な成績は高くなるということだね。
メンタリストのDaiGoさんは、そのことを知ってか知らずか、ひとつの単語帳に数学の公式・英単語・化学式など、いろんな科目の暗記要素を組み込んでいたそうだよ。
脳科学的には、効果的な勉強法だったわけだね。
まとめ
まとめると、効率よく記憶・暗記するためには
・過去問や問題集、暗記カードなどで、「思い出す」回数を増やす
・分野ごとにやるのではなく、分野(時には科目まで)をバラバラにしていろんな問題を交互に解く。
ことが大事だということだね。
今回はここまでだよ。
二次試験までのこり1ヶ月ほど。
これを読んだ受験生の皆さんの努力が報われることを祈っているよ(^●ω●^)
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