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大学医学部の不正入試について思うことがある

更新日:

2018年は、大学、特に医学部の不正入試が暴露されたことで話題となった年だね。

 

官僚の息子が東京医科大学を裏口入学させようとしたのが発覚したのがきっかけだから、もともとは男女差別・現役浪人差別は問題ではなかった。

それがどうしたことだろう。ことの発端がかすむほどに、多くの医学部での不正入試が明らかになり、ウィキペディアに項目が作られるほどまでになっている。

2018年における医学部不正入試問題

12現在時点で、不正入試が明らかになったのは10大学(うち聖マリアンナ大学は不適切性を否定・神戸大学のように、性別ではなく地域による不正もある)。

 

こういう不正入試は実際社会にも大きく影響しているようだ。

というのも、日本における意思の男女比は、OECD加盟国32カ国中最も女子率が低い

入口の時点で女性が門前払いされているのであれば、この値は当然だろうね。

 

今回は、そんな2018年医学部不正入試に関しての思いと、改善点などを考えていくよ。

 

 

不正入試は大学の怠慢だ

医者の養成は大学の仕事だ

はっきり言うと、不正入試、とりわけ性別による操作を行った大学は、その存在意義を入試の段階で放棄しているのではないかと思う。

というのも、医学部は、歯学部や薬学部と同様、養成すべき人材がかなり明確にわかっているからだ。

 

例えば、工学部がエンジニアになる割合は高いだろうけれど、中には習ったこととあまり関係のない仕事につく人も多いだろう。

その点、医学部が医者・あるいは医学系研究者になる割合は9割を超えるのではないかな。

 

では、そんな医学部が学生に対してすべきことは何かと言うと、医者の養成だ。

しかし、例えば女子の一律減点をした東京医科大学なんかは、その、本来医学部がすべき役割を一部放棄したことになる。

トップクラスに優秀な女子生徒が落ちて、トップではない男子生徒が合格するのであれば、それはもう、「私どもは無能なので、女医を育てるのに適していません」とかましているようなものだ。

それならいっそ男子校として男子だけを取ればいいじゃないか。

 

本当はまともに女性医師の育成ができないのに、「男女関係なく医師を育てます」とうたって受験料をむしりとる。

女子受験生の保護者が言うように、これでは詐欺行為だ。

 

よく「男は下駄をはかせてもらっている」なんて表現をすることがあるけれど、僕は、それでは表現が温和すぎると思う。

事実、女子を減点しているのだから、「女子は足を切断されている」と表現した方が適切だし、そちらの方が実際の事の重大さを表現しているんじゃないかな。

 

 

 

一律加点・一律減点は合理的ではない

配点は入試要項に明記できる方法で

こういった不正入試をする理由に、大学側は「女子はコミュニケーション能力が高いから」などと理由をつけている。

正直そういったこじつけはどうでもいいんだけれど、個人的に引っ掛かるのが、どの大学も、点数を操作しているというところだ。

東京医科大学では現役男子に加点していたり、順天堂大学では女子の合格基準点数を男子より高く設定していたりする。

 

しかし、こういった、点数による操作は全く論理的ではない

どういうことか。

もしも一律加点・一律減点をしてしまうと、入試年度によって男女比にばらつきが出てしまう可能性があるんだ。

もし女子受験者や浪人生の入学者数を限定したいのであれば、「男子〇人、女子〇人を合格させる予定です」というようにした方が、確実に男女比をほぼ一定に保つことができるよね。

 

西川史子さんが言うように、「成績順にしてしまうと全員女子になる」というのが本当であれば、それはそれで問題だよね。

とりわけ内科や外科、産婦人科や泌尿科などは、心理的にも、同性の医者の方がいいという人が過半数だろう。

そういうところを考えると、合格者の男女比は45:55~55:45程度にするのが妥当だろう。

 

そして、その場合、ちゃんと入試要項にその旨を明記すること。

そうすることで、女子の受験生にとっても「あの大学は女子が受かりやすい」というようなことがよりわかりやすくなるんじゃないかな。

 

とにかく言いたいのは、

入試要項に書けないような操作はしちゃだめだということだよ。

 

 

女子は海外に行くべきか

ここで問題となるのは、日本の医学業界への信頼だ。

すなわち、日本はこれからも、女性が医者になりにくい国であり続けるのかということだ。

 

これに関しては、期待していいと思うよ。

一部の自称マスコミ関係者は「日本の優秀な女の子は海外に行った方がいいかも」なんていっているけれど、僕は、少なくとも現在中学生以下で医者志望の女子に対しては、このアドバイスは正しくないと思う。

というのは、今後間違いなく、政府が不正入試に関してより厳しくなるからだ。

政府がそういう入試に厳しくなれば、少なくとも、いわゆる不正操作をすることはなくなる。

 

一部の大学では、アファーマティブアクションとして、女子優遇政策をとるかもしれない。

事実、九州大学数学科や大阪工業大学は女子優遇政策をとっていた。

ただし、日本には、残念なことに、これを「男性差別だ」として反対する声が少なくない。

 

しかし今、医学部でこれだけ女性受験者が不当差別されていたのが発覚したのだし、今医学科にアファーマティブアクションを取る大学が現れても、反対意見はあまり出てこないのではないかな。

 

とにかく、少なくとも女子が男子より医学科に極端に受かりにくい時代はあと数年で終わるだろう。僕はそう信じている。

その意味で、僕は、海外に行くのは再考した方がいいと思っているよ。

(アメリカなどの大学では、むしろアジア人が逆アファーマティブアクションで受かりにくくなっているしね)

 

今回はここまでだよ。

日本の女性が、男性と同じくらい自由に活動できる日がもうすぐ来ることを心から願っているよ(^●ω●^)

 

 

(追記)

とある方からコメントを頂いたので、この場にて追加で記入いたします。(コメント非公開を希望していましたので)

とあるMENSA会員を名乗る人が、「女はIQが低い」というデイリーメールの記事にたいして「当然だ」という旨のコメントをしたそうです。

それにショックを受け、女性差別についての記事を取り扱い、かつ元MENSA会員である私にコメントされたのだと思われます。

私の立場から言わせていただくと、このように、特定の性あるいは人種をIQが低い等という存在は、低IQか、あるいはよほど偏狭な文化で育った可能性が高いです。

 

確かに、JAPAN MENSA会員においては、男性会員が女性会員より圧倒的に多かったです。

しかし、女性会員も少なからずいます

また、MENSA会員の男女比は、単にIQの差だけではなく、MENSA会員の称号が欲しいかどうかにも関わっているのではないかと思います(私としては、こちらの方が単なるIQ差よりも、会員数の性差に大きな影響を及ぼしているのではないかと思っています)

実際、私の感覚としては、MENSAのテストはIQがそこまで高くなくても合格するレベルです。実際に受験していただければわかりますが、むしろ、小学生レベルの問題をいかに間違わずに済ませるかの問題ですので、注意力とかそういう面を測っているのではないでしょうか。(一説には、45問中2問間違えたら不合格だそうです)

 

事実、MENSA会員の中で高学歴な人や、そうでなくても頭のいい人は、あまりMENSAとかIQににこだわりません。

改めて関連の記事を書く予定ですが、特定の考えに固執する人はIQが低い傾向にあるというデータもあります。

そういう点を踏まえると、女性差別的コメントをした方は、低IQの可能性があります

 

 

もう一つ考えられるのは、その人の生活している場所が、男女差別の程度が著しい地域だという可能性です。

2018年9月8日の毎日新聞の情報ですが、社会的な男女格差が大きい国ほど空間認知力の男女格差も大きいことが明らかになっています。

IQと空間認知力とは別の問題かもしれませんが、女性差別的な記事を本気で信じている人の中には、生まれ育った環境で、男女差別が大きく、それと関連して実際に優秀な女性が育たなかったということが考えられます。

 

とりあえず、コメント主さんに私から言えることは、

そういった差別的な発言に対しては、事実をもとにして反論し、それで相手が適切な対応をとらないのならばそのことをSNSやブログで発信し続けるのがいい

 

ということです。

私も、わずかながらですが、そういった差別と闘っていきます。ともに頑張りましょう!

 

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