TwitterなどのSNSを見ると、ようやく日本でも #MeToo運動が盛んになってきているように思うよ。
アメリカと比べると1年遅れだけれど、こういう動き自体は素晴らしいと思うよ。
慶應の看護学生のかずほちゃん(@kazuho_misssfc4 )のツイート、感動した。
私ならスルーしちゃうし、回答することで更にセクハラリプ来るのも予想つくのにあえてツイートしたの、すごい勇気..!#metoo 運動は私刑になり得るから素晴らしさと危険さを併せ持つなって考えていたけどこれは素直に感動。 pic.twitter.com/NYentKCc2e
— 上野瑚子 ミス慶應No.2 (@misskeio201802) 2018年9月5日
でも、日本に#MeToo運動にはある問題点がある。
それが、男性の運動参加が非常に少ないことだ。
もちろん、海外の運動でも主導者は女性だけれど、中には男性の参加者もいる。
彼らはわかっているのだと思うよ。性差別やセクハラは男性にとっても不利益だということを。
今回はそのことを、日本の性犯罪の中で特に深刻な『痴漢』を題材にして、考えていこう。
1.痴漢は女だけの敵か
1.1.痴漢件数≠性犯罪者数
まず、痴漢に関するデータをみてみよう。
刑事事件の弁護士カタログによると、2014年の痴漢認知件数は283件。2007年が438件もあり、7年間で65%ほどに減っている。
そのほかの年を見ていっても、緩やかに減少しているのがわかるね。
ただし、痴漢が年300件弱あるということではないだろう。痴漢の被害者が全員駅員や警察に連絡するとは限らない。むしろ、我慢してしまう被害者の方が圧倒的に多いと考える。
ここでは、認知件数の10倍程度、3,000件の痴漢被害が一年に起こっていると仮定しよう。
日本には男性が6,000万人いる。そのうち鉄道を普段利用しているのは18.3%(参考URL https://survey.gov-online.go.jp/h11/toshikotsu/2-1.html)
よって、6,000万人の18.3%である約1100万人が定期的に鉄道を利用していることになる。
3,000という数字は、1100万の0.027%だ。つまり、男性3670人に一人が痴漢ということになる。
通勤電車の乗客定員は140人。このうちの6割が男性とすると1車両当たり84人の男性がいることになる(混雑率100%を想定)
となれば、43車両に1人、痴漢が起こっていることになる。
しかし、これはあくまでも痴漢件数を痴漢の数と同じと考えた時、つまり、加害者が1回痴漢したあと今後一切誰にも痴漢しないと想定した時の計算だ。
現実的に考えるとこれはあり得ない。
一般に性犯罪者は再犯率が高い。痴漢も例外ではないだろう。
では、痴漢は一人当たり何人に嫌がらせをするのか。
しかし、痴漢を報告する人が被害者全体の1割と考え、そのうち95%が痴漢冤罪でなく実際の加害者だったとしよう。この場合、1回痴漢をして捕まる確率は9.5%。90.5%というかなり高い確率で、痴漢の加害者は捕まらない。
ここから逆算し、では痴漢が捕まるまでに何回性的嫌がらせをするか期待値を計算してみる。
詳しい計算過程は省くけれど、僕の計算では10回だった。
つまり、痴漢は平均で10回犯罪を犯していることになる。
逆に言えば、痴漢は被害件数の10分の1、全国に300人ということになる。
最初は驚いたけれど、考えてみると意外とそうかもしれない。
というのも、男性側からすれば、痴漢によって得られる性的快感と比べて、自分の社会的地位が未来永劫失われるというリスクはあまりにも高すぎる。
痴漢専用の性風俗やAVもあるし、仮にそういう劣情がわいたとしても、多くの人は実際に痴漢する以外の手段をとるだろう。
痴漢は、社会的地位のない人、あるいは、リスク計算ができない人がする行為なんじゃないかな。
そして、こういった、『一人の人間が何人にも痴漢行為を行う』場合を考慮した場合、男性に占める痴漢の割合はどうなるだろうか。
この数字は男性の0.0027%、男性36700人に一人が痴漢ということになる。
そう考えると、目の前の男性が痴漢常習者である確率は極めて低いということになるね。
<注意> 痴漢一人当たりの回数が非現実的な数値を出したことの意味は、ここではあえて伝えません。
しかし、ぜひとも考えていただきたいのは、これが「ほとんどの痴漢被害者が被害を訴えない」場合の計算結果です。
もしも被害者の痴漢報告率が60%となれば、痴漢の件数は現在の5%未満になります。
本当に痴漢被害を受けた場合、こちらのブログ様がとてもいい方法を提示していますので参考にしてください(無実の人を巻き込む可能性も減ると思われます)
また、痴漢冤罪対策に対しては、こちらでもあるように、弁護士を呼ぶのが適切だと思われます。
2.痴漢は男性の敵でもある
2.1.女性から見れば全員容疑者
では、なぜこれだけの数字が出ているのだろうか。男性・女性それぞれの立場からみてみよう。
まずは男性側。痴漢は数千~数万人に一人だ。多分ほかのセクハラ加害者の割合の方が高い。
それで痴漢を疑われるのはあまりにも残酷な話だ。
しかし女性の側からすると、乗客に身体を触られたというのは間違いない事実だ(ごくごく一部をのぞいて)
となれば、乗客全員、少なくとも自分の周りにいる男性全員が容疑者だ。(正確に言えば乗客は女性含め全員容疑者にあたるけれど)
数千分の一とかそういう割合は、被害者にとってなんの意味もなくなる。
この違いが、男性と女性との、認知の違いなんじゃないかな
2.2.男の敵は女ではない。性犯罪者だ。
Twitterのツイートをいくつか見ると、「冤罪の可能性があるのだから」というようなツイートを見かける。
それで非難されるのは世の女性だ。
しかし、僕はそれは違うと思う。
というのも、冤罪があるのも痴漢のせいだからだ。
0.0027%の人間によって人生を狂わされる恐れがある。あるいは、それに便乗して金を巻き上げようとするでってあげが起こる。
その結果損をするのは、冤罪を受けた男性と、本当に被害に遭った女性だ。(冤罪をうけた女性・被害者の男性も当然存在するだろう)
そういうのを防ぐためにも、男性のみなさんはもう一度、痴漢に対する態度・女性に対する態度を考えてほしいと思うよ。
今回はここまでだよ。
女性を守ることは、同時に男性を守ることにもつながる。僕はそう強く信じているよ(^●ω●^)