はい、どうも。ヤマダカワウソだよ。
今日も頑張っていこう。
現在は自己啓発書・ビジネス書ブームだ。
山梨日日新聞の記事によれば、自己啓発市場はなんと9,000億円!。30年で3倍規模になったそうだよ。
この勢いはますます盛んになるんじゃないかな。
中には昇進を目指して、ありとあらゆる自己啓発本を読みまくったり、自己啓発セミナーに通いつめたりしている人がいると聞くよ。
でも、僕はそういう努力はほとんど役に立たない、ムダの多い努力だと考えている。
今回は、なぜ自己啓発本や自己啓発セミナーに行ってもほとんど無意味な理由を考えていこう
1.なぜ自己啓発本は無意味なのか
1.1.その主張に根拠はありますか?
まず、自己啓発本。ビジネス書とはどういうものだろうか?
自己啓発ブームのころからずっと、過半数の自己啓発本やビジネスに共通するものがある。
それが、経験だ。
自らの経験から考えたことを記した自己啓発本、これを読んでいる皆さんも思い当たりがないだろうか?
あるいは、合理的に考えればこうなるだろう、というのもある。
ホリエモンの多動力 なんかがそうだ。
寿司の弟子入りはいらない、といった、超合理的な彼の考え方が人気となっている。
しかし、それらの多くには、欠点がある。
証拠がないんだ。
まず、経験をとにかく語る本。
ありきたりな批判だけど、著書と読者とでは環境が異なる場合が多いね。
そして、そういう批判に対して、「実行したことないのに批判ばかりするな!まずはやれ!」のような批判が書かれているのも自己啓発本のあるあるだろう。
実際、経験則でやっていたことが実は逆効果だったことはいくらでもあるだろう。
例えば、なぜ日本は10年前まで世界第2の経済大国だったか考えよう。
「一生懸命働けば、あまり工夫しなくてももうかる」「残業は生産力を上げる」という経験則が蔓延していたからじゃないかな。
しかし実際、内閣府の調査では、労働時間の長さと生産性の高さとは負の相関関係にある、すなわち、労働時間が短いほど生産性は上がるという結果が出た。
現在では、このデータはみんな感じていることだろうけれど、直感や精神論・経験則が役立つのは、非常に限られた場合なんだね。
あるいは、合理的に考えすぎるのも問題だ。
なぜなら、人間は完全に論理的な生物ではないからだ。
もちろん、多くの場合に合理的思考は役に立つ。
実際、例えばホリエモンはその合理的思考によりベーシックインカムの導入を10年前からブログに書いていたそうだ。
しかし、例えば彼の主張の中には、「相関性がない」を「負の相関性がある」と勘違いしているところがある。
例えば、就活履歴書をパソコンで打つか手書きかどうか。
彼は、手書きの履歴書は不採用にするといってきた。
たしかに、手間を考えれば、その決断は合理的ではあるだろう。
しかし、その主張にデータがあるのだろうか。
手書きを不採用にするならば、手書き履歴書を送って採用された就活生と、パソコンで書いて採用された就活生とを比べてちゃんとしたデータを取る必要がある。
手書き新入社員の方がパソコン社員よりも仕事ができる可能性があるからだ。
疑問を呈するくらいならいいけれど、データを取らずに、単に合理的に判断すると、思いもよらぬ失敗をしてしまう恐れがあるね。
1.2.内容は大体同じ
そして、正直言えば、内容自体が薄いものが多いというのもある。
結局は
実行しようぜ
この6文字に集結する。
どうすればいいかコツはない。しかし、やるかやらないかだけだ。
そういうことばかりかいているし、そういうものが書かれていない書物を知っている人は幸せだ。
第一、自己啓発やビジネス書というものは内容が薄いものになっている。
というのも、データが人を感動させることは少ないからだ。
それに、成功のためのデータを集めようとすれば、多くの人がおなじようなデータに頼るしかなくなるだろう。
となると、差別化ができない。
逆に、他の自己啓発本・ビジネス書と差別化させるためには、自らの経験や意見を入れざるを得なくなる。
もちろん、情報量で圧倒している啓発本(後述)もあるけれど、多くの本では自らの経験や意見といったものでカバーしてしまい、結果的に内容が薄くなるんだ。
おそらく、自己啓発書・ビジネス書に求めるのは、「こうすればうまくいく」という指南だろう。
しかし、それを読み漁っているということは、その本に書いてある方法は失敗だったということにならないだろうか?
10冊読んでダメだったら、それは、自己啓発書そのものに、自分の求める情報が入っていないと判断して、自分の頭で考えて行動した方がいいと思うよ。
1.3.内容スッカスカなのに高額な自己啓発書・ビジネス書
あと自己啓発書・ビジネス書でむかつくところは、内容のわりに値段が高いこと。
いわゆる自己啓発書・ビジネス書のうち、文庫サイズのものは希少だ。たいていが1200円くらいする、やや大きめサイズとなっている。
内容が薄いだけでなく、そもそもの文字数が少ない。
自己啓発セミナーに至っては、それに輪をかけてひどい。
本にすれば1,000円で済むものを、1万円で売ってる人がいる。
後述するけれど、そういったセミナーを介さずとも、500円くらいで濃い情報を教えてくれる人もいるよ。
自己啓発セミナーに行きまくる人は、そういう情報を知らない、情報弱者なのではないかと思うよ。
2.自己啓発にハマる人は「危ない」
2.1.自己啓発はカルト宗教だ
では、なぜ自己啓発書が人気なのか。
答えは当然、「不安な人が多い」からだ。
人生に不満のない人は自己啓発書なんて読む必要ないだろう。
しかし、これだけ自己啓発書が売れているということは、人生に不満不安がある人が多いことを表しているんじゃないかな。
さて、これに目を付けた人物が、自己啓発業界以外にも存在する。
それが、麻原彰晃だ。
彼は生前、「宗教は確実に儲かるビジネスだ」といったとされている。
教祖になり、教義を与えることで、信者の思考能力を奪っていった彼の手法はしられている通りだね。
僕は、多くの自己啓発書がオウム真理教と似ていると考えている。
やり口を見てみると、
・読者は不安や不満を抱えている人、特にそれが顕著化している人だ。
・そういう人を狙って、これをやれ、あれをやれと指示を出す。いわば、自分の代わりに考えてあげる
・一部の啓発書は、客観的に見るとむしろ危険で合理的でないものも存在する。しかし、そんなものまで信じてしまう。
・読者は、冷静に見て不合理な金額を要求される。
ひとつひとつ見ていくと、どうだろう。
基本的なところがカルト宗教とにていないだろうか。
ビジネス書と呼ばれるものの中にも、そういうものはあるよ。
自己啓発本・ビジネス書を1,2冊買うのはいいけれど、何十冊も買うのは、思考放棄・思考停止に陥っている状態で、そういう人がカモにされているのではないか。僕はそう考えているよ。
2.2.自己啓発本は0.02%の成功さえあればいい
さて、自己啓発を産業としてとらえてみよう。
そうすると、著者や出版社としては、むしろ読者には人生に失敗してくれたほうが嬉しいんだ。
というのも、もし多くの人が成功してしまうと、新しい啓発本を読む人が減るからだ。
もちろん、成功例がないと売れない。だから成功率ゼロではいけない。
しかし、「この本を読んで人生が変わりました!!」という人は全国に20人いればいい
というのも、成功例を書くスペースが、帯に最大で20人しか書けないからだ。
むしろ、それ以上成功例を書いても、読み飛ばされるだろう。
よって、成功者は20人いればいい。
では、この20人というのは割合にするとどのくらいだろうか。
人気の自己啓発本の中には『10万部突破』と書かれているものがある。読者数も10万人とかんがえていいだろう。
しかし、その10万人のうち、20人成功すれば、帯にぎっしりと成功体験を書くことができる。
計算すると、なんと0.02%。5000人に1人成功すればいいというわけだ。
もちろん本当に5000人のうち1人しか成功できないようなことを書いている本は少ないだろうけれど、その本を読んだからといって、成功する確率が上がるわけではないということを肝に銘じておいた方がいね。
2.3.売り上げや満足度に騙されている人達
僕は、自己啓発本・ビジネス書の中に『10万部突破!』とか『満足度80%!』とか宣伝されていて、かつそれに惹かれる人の考えが読めない。
というのも、冷静に考えると、そういったアピールはむしろその書物の無能さを表していることがあるからだ。
例えば売り上げ。
10万部突破した場合、10万人がその本を読んでいることになる。
では、その10万人は成功者になれただろうか?
答えはノーだろう。
もし読者のうち半分でも大成功するのならば、この世は成金だらけになるし、テレビでも注目されるだろう。
しかし、そんな話を僕は聞いたことがない。
自己啓発書やビジネス書を、「私の一冊」としてあげる有名経営者は知らない。
ということは、読者10万は、大した成果を上げられなかった10万人ということになる。
冷静に見れば、売り上げをアピールすればするほど、その本の無力さがあらわになっているということだ。
そして、もう一つ。満足度のアピールもどうかと思う。
たしかに、『幸せに生きる方法』のような本であれば、満足度をアピールするのは役立つけれど、
『成功したいならこうしなさい!』という内容であれば、読者満足度は全く関係ないよね。
そういった、意味のないアピールに惑わされて自己啓発本やビジネス書を買ってしまう前に、一度冷静になって考えてみよう
3.それでも読みたいという人に
3.1.データのそろった書物を読め
まず、データの少ない本は買わないことだね。これは、自己啓発書・ビジネス書にかかわらず、多くのノンフィクションに当てはまることだろう。
逆に考えれば、十分なデータ・研究が書かれている書物は買って読む価値があるということだ。
心理学や社会学の実験では、1万人以上を研究することがすくなくない。
一人の経験よりも、1万人の経験・行動に頼ったほうがいいのではないかな。
僕のオススメを2つ紹介しておくよ。
まず一つが、残酷すぎる成功法則だ。
いくつもの実験結果が紹介されており、それを通して、「良い人は本当に成功するのか」とか「学校の成績と社会的成功は違うのか」・「金持ちになるには大学は必要ないは本当か」など、今まで経験則でしか測られなかったことをデータによって提示してくれている画期的な本だ。
次に、1冊の本で派ないけれど、DaiGo氏の書籍はオススメだよ。
というのも、彼の書物には彼の体験や意見は必要最低限にしか書かれていない。
「成功にはどうすればいいか」というよりも、「成功するためにはこれはいくつ必要か」という、具体的な数字がいくつも提示されている。
友達はなぜ30人なのか、「多い方がいい」とか「少ない方がいい」とかではなくて、30人という具体的な数字を出してくれる、それが、僕が彼の書物をお勧めする理由だよ。
本当に成功したいのなら、DaiGoの本を読もう。
3.2.自己啓発本レビューブログこそ役立つ
それでも、自己啓発書やビジネス書には、独特の魔力と呼ぶべき力が存在する。
それが、自己啓発中毒を呼び起こす原因だね。
それの治療のためにはどうすればいいか。
実は、お金を出さずに大量のビジネス書を読む方法があるんだ。
その一つが、ブログ。
世の中にはいろんなブロガーさんがいるんだね。
何と、ビジネス書のレビューを毎日1冊挙げている人がいるんだ。
それが、柿田ぴんとさん。
2018年8月19日現在で、162冊のビジネス書の書評を書いている。
そして内容が濃い。正直、元となる本の内容以上の濃さがあるのではと思うくらいだ。
ぴんとさんも、さすがに「俺の挙げた本全部買え!」とは言わないと思うよ笑
印象に残ったのだけ数冊買って、あとはレビューだけ読む。言い方を変えれば、自分の代わりにビジネス書を読んでもらう。それが、忙しいビジネスパーソンが時間を消耗せずにテクニックを習得する最善手なんじゃないかな。
今回はここまでだよ。
みんなが、ビジネス書や自己啓発書に搾取されないことを望んでいるよ(^●ω●^)
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