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脳・IQ

IQが高くてMENSA会員になってもメリットは少ない

更新日:

はいどうも、カワウソだよ。

なんとなく求人情報を探していると、とあるサイトに目がいったよ。

どうも、MENSAの会員を採用するという企画なんだそうだよ。

メンサ会員採用

MENSAは、IQが人口上位2%の人しか入れない組織で、日本だとロザン宇治原さんや茂木健一郎さんが加入しているよ。

ぼくも一昨年まで会員だったけど、会費を払い忘れて退会させられたよ。

追記:再入会しました。

元メンサ会員だけど、メンサに再入会します。

 

さて、このメンサ採用、一瞬「僕も入れるかな?」と思ったけれど、「元」会員の是非がかかれていないし、そもそも就職経験が必要だそうだから条件を見ていなかったよ。残念だよ。

(追記 再度MENSA会員になりました。

詳しくはこちら→元メンサ会員だけど、メンサに再入会します。

 

説明には、「普通の人には見えない視点、発想に多くの企業が期待を寄せています。」と書かれていたよ。

でも、僕から見ると、この説明はMENSA・そしてIQというものを過大評価しているように感じたよ。

このミートボウルさんだけでない。どうも、MENSAが過大評価されているように思うよ

今回は、元MENSA会員から見た、高IQの利点・欠点を示していくよ。

元 MENSA会員だけど、IQが高い人の特徴を考えてみる
MENSAのことを、内側から考えてみた-マツコ会議から。

 

IQは万能ではない

そもそもIQとは

 

IQというと、頭の良さと同義だと思っている人がいるね。

たしかに、世間で言われている「頭がいい」と「IQが高い」は共通部分も多いけれど、一度厳密な定義を見てみよう。

いろいろ定義はあるけれど、例えばwikipediaではこのようにかいてある

知能(ちのう)は、論理的に考える、計画を立てる、問題解決する、抽象的に考える、考えを把握する、言語機能、学習機能などさまざまな知的活動を含む心の特性のことである

 

論理的に考えたり、抽象的に考えたりすることができる人は、確かに「頭がいい」と言えそうだね。

そういう意味では、知能をはかる知能指数は、確かに「頭の良さ指数」といえるかもしれないね。

 

でも、しかし頭の良さは知能の高さだけではない。すなわち、知能指数が低くても頭の良い人はいるんだ

 

例えば山下清。彼には知的障碍があり、知的障碍児施設に預けられていた。

IQテストは平均以下だろう。しかし、それによって彼の絵のすばらしさが損なわれるわけではない。

しかも、彼は風景を暗記して、家で作品を作りあげたという。その記憶力は常人のものではない。

 

確かに「知能」は低いかもしれないけれど、特別な才能があり、人人を仰天させ続けている。その意味では彼も「頭がいい」と言えるんじゃないかな。

逆に、MENSA会員の中に、山下清のような記憶力、あるいは心情を芸術に昇華できる人が多いわけでもない。

論理力とか推論力とかと関係ない才能を測れないのは、知能指数の欠点かもしれないね。

 

MENSAが測る能力はパターン認識でしかない

 

とはいえ、少なくともMENSA会員になるには、そういう「知能」すべてが基準点である必要はないよ。

 

どういうことか。

アメリカMENSAはどうも違うみたいだけど、JAPAN MENSAでは、パターン認識パズルが45問ほど出される。

そのうち基準点以上の得点をした人がMENSAに入会できるんだけど、その内容が偏っている

 

ネット上でぼくが見た限りだと、このサイトが一番似ているよ。

(注意
 スマホから、当ブログの記事を通してアクセスされ、文字化けやおかしなスタンプのようなイラストが表示されたと報告してくださりました。
iqtest.dk自体は危険なサイトではないですが、念には念を入れ、スマホからのアクセスはされないようご注意ください。)

右下を除く3行3列に8つの図形が書かれてあって、このパターンから右下に当てはまる図形を答えるんだ。

 

MENSAで出題された問題は、ネットのテストと同じく、最初は幼稚園児でも解ける問題、最後の問題も、制限時間なしで考えればだれでも正解できるような問題だったよ。

ぼくの感触だと、こういったネット上のIQテストの方が実際のMENSAテストより頭を使ったよ。

 

じゃあ、こういうテストで何が測れるか。

パターン認識能力。これに限られる。

 

知能指数の定義からすると、論理的に考える思考力がその人の知能指数を決定する要素の一つだ。医学的な知能検査ではちゃんと問われる。

しかし、MENSAでは論理的思考力を直接試す問題は出題されない。

 

もちろん、パターンに気付くためには論理力と抽象化の能力が必要だから、知能をはかるのにMENSA入会テストのパターン的問題は適しているかもしれない。

でも、同じく知能指数の中で重要な要素である計画性言語能力はMENSAのテストでは測れないね。(MENSAは言語・文化の差異をなくすために言語テストを課していないというのもあるとおもうけれど)

つまり、MENSAのテストで知能指数は完全には測れないんだ。

 

IQが高いと何ができるか

なぜ東大生のIQは高いのか

 

さて、IQが高いとどんなメリットがあるか見てみよう。

一言でいえば、世間でいう「頭がいい」人になれる。

率直に言うと、いい大学に入れる可能性が高まるんだ

実際、例えばMENSA会員(元会員を含む)を調べると、博士号取得者や東大京大が多い。

有名人を見ても、茂木健一郎(東大・理学博士)、ロザン宇治原(京大卒)、中野信子(東大・医学博士)・パックン(ハーバード大卒)など輝かしい学歴の持ち主が多い。

 

では、それはなぜだろう?

海外の大学は知らないけれど、少なくとも日本の大学入試には、数学の問題にパターンがあるといわれている。

 

素数問題では、mod2とmod3を調べる、という具合に、大体解き方がわかっていることが多い。

東大で出題された『円周率が3.05より大きいことを証明する』問題だって、一見アプローチ不能に思えるけれど、極限をやっていれば難しくない。

で、どのパターンを使うべきかってのが難関大学の難しいところなんだけど、そういったパターンに気付けるのは、高いIQを持っているひとの特徴でもある。

 

そして、数学だけでなく、現代文にも同じことが言えるし、さらに純粋な知識補充力においてもIQが高い人の方が有利だ

IQが高いと、歴史事件を抽象化し、ほかの事件と関連させて覚えることができる。

ロザンの宇治原さんは、歴史をドラマだと思って覚えたそうだけど、まさに抽象化能力が高い人の暗記法と言えるよ。

歴史の問題でも、一問一答じゃない記述式の問題に強いのが、IQが高い人の特徴だよ。

 

すなわち、文章読解・数学・暗記という、勉強において重要な能力が全て、IQが高い人ほど高い傾向にあるんだ。

 

IQが高いと努力の量が少なくて済む

 

さて、IQの高い人は、何かを始める前にまず効率を考えたり、いろいろ計画したりするよ。

その結果、どうすれば効率的に学力が身につくか、どうすれば効率的に覚えられるかを考える。計画性も高い。

だから、「無駄な努力」「余分な努力」をしなくなる。

 

もともとの脳が勉強に適しているうえに、そういうことを考えるのだから、ガムシャラにやるよりも学力が高くなるのは想像に難くないね。

東大生・頭脳王でおなじみの水上颯さんは一日1時間の勉強だけで東大理Ⅲに合格したけれど、

本人と、おそらく出身である開成学園の先生の両方が高いIQの持ち主だったんじゃないかと予想するよ。

 

高IQでかえってできなくなること

さて、ここまで見ると、IQが高いとメリットばかりなように見えるね。

でも、IQが高いことには、メリットと同じくらい(個人的感覚ではメリット以上に)デメリットが存在する。

 

よくテレビなどで放映されるのは

「人とちがう(人よりはやい)タイミングで反応してしまう」

「話の途中で結論がわかってしまい、その後の話を聞くのが苦痛」

のような、理解力・情報処理能力が高いが故に直接的におこる障害が説明されているね。

 

そういうことはぼく自身経験しているよ。

話したり書いたりタイプしたりするスピードが脳内で展開されてるのとかけ離れてしまって、結果わけわからないことを言ってしまうってことはよくある。

でもそれらは、「自分の能力が高すぎる」からおこる、ある意味で傲慢で鼻にかかる不幸自慢だよね。

そうではなく、IQが高いことで、別の能力が絶対的に低くなるんじゃないか、そういう観点で考えていくよ。

 

IQが高いと努力を怠りがちになる

 

上に書いたように、IQの高い人は何かを成し遂げるために必要な努力量が少なくて済む。効率がいいのは長所だけど、同時に、努力の価値を低く見るもしくは努力を怠る傾向にあるよ。

IQが高いことは理解力に優れているという意味で「勉強に向いている」とほぼ同義だと書いたけれど、MENSA会員の中には学校の成績が悪かった人もいるよ。

 

彼らに共通していたのは、理解はできるけど、そこで止まってしまったということだよ。

 

どういうことか。

人並みに、もしくは人以上に理解するのが早い。でも、同時にこう思ってしまうそう。

「理解した。じゃあこれでいいや。」

若い時期に、『努力して勉強する』という過程を経験せずに歳を取ってしまうんだ。

 

日本の教育では、理解して、かつそれを覚えることが必要だよね。というか、理解しなくても暗記しておけば高得点が取れる科目もある。

だから、理解しただけでは点につながらないんだ。

 

ぼく自身、この「努力しない」タイプの人間だ。

努力の習慣を身に着けないまま成長するタイプの人間、それがほかならぬ僕の性格だ。

僕は高校を卒業するまで、授業と宿題以外の勉強をしたことがなかったよ。

別に宿題の分量が多かったわけでもなく、それで成績も上位をキープできていた。結果主義だったから、それでいいじゃんと思っていたよ。

 

転機は大学入学後だったよ。

科目数も多い。高校の何倍も長く複雑な数式をいじくる必要がある。にもかかわらずサークル三昧で勉強しない。かつレポートも出さない、何とも悲惨な成績をとってしまったよ……

IQの高い人は努力の習慣が身につきづらい。したがって、IQが高いことは努力怠慢につながる恐れがあるんじゃないかと考えているよ。だから、習得のために労力が必要なモノは苦手なひとが多いんじゃないかな。

もちろん、IQが高い人全員が努力できないとは限らないし、逆に努力家に知能がないというわけでもないということをここで明確に書いておくよ。

 

 

IQの高さと創造性・生産性は無関係

 

さて、努力できないのともう一つ。IQの高い人には苦手なことがある。

創造的なことを考えることだよ。

 

創造性が高いことは、頭がいい要素のひとつだろうけれど、その創造性に関してはIQの高さと比例しないよ。

 

一万時間の法則でおなじみ天才! 成功する人々の法則では、このような例が載っているよ。

 

IQの測定テストではなく、まったく違う種類のテストを出題したとする。

次の使い道を、思いつく限りかきだしてみなさい。

1,レンガ

2,毛布

(中略)

ハドソンによれば、神童であり、学校で最も高いIQの持ち主だったという。

(レンガ)何かを建てる。投げる。

(毛布)身体を暖める。覆って火を消す。気に結びつけて寝る(ハンモック)。即席の担架。

フローレンスの想像力はどうしたのだろう?ごくありふれた、最も機能的な使い方を書き留めただけだ。 天才の時間

 

この生徒の回答を見る限り、この最もIQが高いとされる生徒は、創造というよりかは「正解」を見つけようとしているね

パターンを見出す能力は、ある意味で「正解」を出すために有利な技能だね。

ということは、IQの高い人は「唯一解」のない創造的な活動は苦手なのかもしれないね。

 

パターンに慣れてしまっているからこそ、むしろパターンから外れた考えが慣れていないというのは自然に考えられることだね。

 

 

 

以上より、MENSAの入会テストに入れるほどIQが高いことのメリットは

「勉強的な成績は伸ばしやすい」「何かをするために必要な努力量が少なくて済む」

逆にデメリットは

「努力放棄の傾向が高くなる」「創造性など、パターンから外れた考えは苦手になる」

があるんじゃなと結論づけておくよ。

 

 

今回はここまでだよ。

読者のみんなが、IQに過剰な期待を抱かないことをお願いするよ(^●ω●^)

 

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