はいどうも、カワウソだよ。
近年、『老害』という言葉が市民権を得てきているね。
ぼく自身の経験では、60,70の高齢者よりも、40,50の中年男女のほうが身勝手な人が多いように感じるよ。
ぼく自身の感覚でいうと、高齢の方は、列に割り込むこともないし、空気を察してくれる。
逆に、中年でスーツ着ているような人たちのほうが、電車の乗車列に割り込んでくるように感じるよ。
この比率には地域差もあるだろうし、コンビニや飲食業で働くとまた感じ方は違うだろうけれどね。
さて、なんで世の中にそんな人たちがいるかを調べていくうちに、サイコパスという存在をしることになったよ。
いろいろと調べていくと、サイコパスと老害とは関係があるのではないかと思うようになったよ。
今回はこの、サイコパスについて、中野信子さんの著書 サイコパスをもとに考えてみよう。
サイコパスとはどんな人か
倫理的なブレーキがない
まず、サイコパスについて、どういう特徴の人だろう?
一般にはシリアルキラー的な、人間の感情を持たない人のイメージがあると思う。
脳科学者の中野信子氏は、
・外見や語りが非常に魅力的で、ナルシスティックである。
・恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも堂々として見える。
・多くの人が倫理的な理由でためらいを感じたり危険に思ってやらなかったりすることも平然と行う
・お世辞がうまい人転がし
・常習的にウソをつき、話を盛る。
・ビッグマウスだか飽きっぽい
・傲慢で尊大、批判されても懲りない
・つきあう人間がしばしば変わる
・人当たりはよいが、他者に対する共感性そのものが低い。
-中野信子 「サイコパス」より。一部改変
といったことを、サイコパスの特徴としているよ。
『老害』と呼ばれる人は、『倫理的にためらわれる行為を平気でやる』『批判されても懲りない』という点が、サイコパスの特徴にあてはまるよ。
こういう人たちの道徳心は軽いと言われているけれど、
極端にスコアが低かったのは、1点目「他人に危害を加えない」と2点目「フェアネス」についての尺度でした。
しかし、ほかの3つの尺度「共同体への帰属心」「権威を尊重する」「神聖さ、清純さを大切に思う」
に関しては、意外にも高かったというのです。
中野信子『サイコパス』
さきほどもかいたけれど、サイコパスには人間らしい感情がないというイメージがある。
しかし、共同体への帰属心だとか権威への敬意を高く持っているあたり、少なくとも表面的には人間らしいところもあるようだ。
中野氏は、サイコパスは共同体への帰属心などはあったか方が自分にとって利益になることを理解してるからだとしているよ。
つまり、自発的に勝手に権威を尊敬したりするのではなく、「こうした方が自分の得になる」と考えて打算的に権威への尊敬心を抱いているということになるね。
勝ち組サイコパスと負け組サイコパス
成功者サイコパスもある
サイコパスが常に自己中でないのと同じく、サイコパスの特徴があれば即犯罪者予備軍かといえば、そういうわけでもなさそうだよ。
それどころか、ある条件を満たしたサイコパスは、むしろ成功者や偉人の中にも多いとされているよ。
では、そんな偉人である『成功者サイコパス』はそうでないサイコパスと何が異なるのか。
それは、背外側前頭前皮質(DLPFC)の厚さが厚いという条件だよ。
DLPFCは、計画性や合理性、論理性を司る領域であり「いまこれをやってしまったら、あれが台無しになる。だからやめておこく」といった判断を行います -中野信子『サイコパス』
だから、成功者サイコパスは、自分にとって都合の悪い人に対しても、殺さず、むしろ搾取し利用するんだ。
長期的に考えて、じわじわと搾取していく。最もおそろしいタイプの人間だよ。
こういう人が反社会的行動をとらないのは、そうしたところでメリットが少ないと自覚しているからなんだね。
負け組サイコパス
逆に犯罪を犯しやすいサイコパスは、このDLPFCと関連する障害があるそうだよ。中野信子氏の言葉を借りれば『負け組サイコパス』と言えよう。
そのため、無計画になり、客観的に自分の立場を認知することが苦手なんだね。
いわゆる『老害』は、こっちがわ、加齢によりDLPFCが衰弱しているんじゃないかな。
もし脳科学の研究をしている人がいたら、老害とサイコパスの研究を進めてほしいよ。
身の回りのサイコパス
中野氏は、著者の中で、現在社会にいるサイコパスをいくつかあげているよ。その一例を紹介するよ。
プレゼン能力だけ異常に高い人
サイコパスと仕事の能力とはあまり関係ないそうだけど、高いプレゼン能力をもつのは確かだそうだよ。
逆に、経営管理やチーム作業が苦手なんだね。
大したコンピュータ知識もないのに話の上手さで周りを巧みに操ったスティーブ・ジョブズがこのタイプだったと、著者も書いているよ。
実際はキーボードが打てなかったとされるスティーブ・ジョブズ、しかし、彼の天才的なプレゼンで、アップルという世界トップの企業を作りあげた。
実際、アップルは技術が優れているわけではなく、自分のブランドを高めることに関して天才的だ。
ジョブズの周りの人は疲弊したというし、彼のサイコパス性が良くも悪くもジョブズを彼たらしめたといえるね。
経歴や肩書きが華麗すぎる人
人を騙す上で肩がきが有効だと知っているサイコパスは、経歴詐称したり、実際は大してすごくないのに賢そうに見える団体に所属したりするよ。
代表的なのは、団体で言えばMENSAとかかな。
思考が深い人も大勢いたけれど、
『MENSAなのにやけに物分かりわるいな』
と思う人も1割くらいいたよ。
MENSAのことを、内側から考えてみた–マツコ会議から。
IQが高いとはどういうことか、元 MENSA会員が考えてみた
お金を払えば誰でも貰えるような団体や賞もあるよね。
有名企業に働いていると言って、実際は本部ではなくて請負に過ぎなかったり、そういう、自分を過度に高く見せようとする人は注意したほうがいいかもだね。
ママカーストのボス、ブラック企業の経営者
この二つに共通するのは、自分が搾取可能な集団をつくり君臨する人ということだね。
閉鎖的な環境に置き、言葉巧みに激励し、知らぬ間に退路を塞ぐ。
献身的な人ほど、こういうサイコパスに利用されやすいとも書いているよ。
炎上ブロガー
今なら炎上ユーチューバーや炎上ツイッタラーもこれにあてはまるかな。
ベルギーのアントワープ大学の研究者グループが14歳から18歳の青少年324人を対象に調査した結果、サイコパスはフェイスブック上で他者を攻撃したり、ひどい噂を流したり、なりすましをしたり、恥ずかしい写真を載せたり、仲間はずれにする傾向があることがわかっています。-中野信子『サイコパス』
僕のツイッターアカウントをフォローしてくれたブロガーの中には『俺より長時間働いてるのに給料の低い社畜www』とか『いいですか社畜のみなさん、あなたたちは思考停止しているのです』とか平気で呟く人がいたよ。
何かをdisると、簡単に読者が増えるから面白いよね。
さて、そんな炎上ブロガーに対しての対処法も書かれているよ。
いうまでもなく、こうした人物の発言は、真に受けないことです。彼らの脳は、長期的なビジョンを持つことが困難なので、発言に責任を取ることができず、またそのつもりもなく、信じるだけバカを見ます。
(中略)
驚くべきことに、化けの皮が完全に剝がれているにもかかわらず、信者のようにずっとついて行く人もすくなくありません。これもまたサイコパスならではの人心収攬術なのかもしれません-中野信子『サイコパス』
確かに、某高知のブロガーは、何人の人を大学からドロップアウトさせただろうか。
そして、そういう大きな決断をさせたにもかかわらず、借金まで作らせてファンに貢がせている。
人心掌握されて、ブラック企業で消耗したり、逆に大きなリスクを負ってまで引っ越ししたりする前に、一度立ち止まって、『この人のいっていることは本当だろうか』と考えなきゃいけないね。
まとめ
まとめると、
身近なところにもサイコパスはいる。そういう人たちは人心掌握がうまいので安易に騙されかねない。彼らの思いのままになる前に、個々で考えなきゃいけない。
本日はここまでだよ。
いろんな人との対処法も身に着けたいね(^●ω●^)