
はいどうも、カワウソだよ。
日本史・世界史の教科書からいくつかの用語・人名が省略される予定だよ。
世代的には、今の中高生は脱ゆとり世代だよ。
でも、暗記の数を減らすという点では、ゆとり化といわれても仕方ないような改革だね。
しかし、ゆとり教育がそうだったように、歴史の教科書から坂本龍馬を消すことが必ずしも学生にとって負担を軽減するものになるとは限らない。
むしろ、そういった人物や出来事が削除されることで、日本史や世界史がよりストレスある科目になるのではないかと思っているよ。
今回はその点についてかんがえていこう。
暗記科目のレッテルを剥がす

まず、なんで坂本龍馬などの歴史的人物を教科書から外すという、一見ヘンテコな案が出されたかを見ていこう。
高大連携歴史教育委員会 によれば、
大学入試で歴史の細かい用語が出題され、高校の授業が暗記中心になっているから
だそうだよ。
事実、この30年で増えた用語数は4300もあるそうで、そして入試でも細かいところまで問うている。
現在教科書に載っている用語数は約10000。
東大など難関国立大の英語入試で必要とされる英単語数が7000語だからそれよりも多い。確かにこの考えは同意できるところもあるよ。
暗記から解放してくれていた人たち
坂本龍馬が居なければ歴史が余計に暗記科目になる
さて、じゃあどんな人・どんな出来事が歴史の教科書から削除されるか、具体的にみていこう。
高大連携歴史教育委員会によると、
坂本龍馬、大岡越前守、上杉謙信、武田信玄、吉田松陰
などだよ。
そうだね。ゲームのキャラや、大河ドラマの主人公にもなっているほどの有名な人物が多い。
合理的に考えれば、確かに上杉謙信や武田信玄は天下統一にはさほど関係していないし、
吉田松陰も、直接歴史を動かしたわけではない。動かしたのは彼の生徒である伊藤博文や木戸孝允だ。
削る理由は、探そうと思えばいくらでも見つかるよ。
じゃあ、別にいいじゃんと思うかもしれない。しかし、それでもなお、こういう人物を教科書から削除してはいけないと思う。
例えば武田信玄や上杉謙信の存在は戦国の喧騒を感覚的に教えてくれるし、坂本龍馬を記述することで、当時の薩長の仲の悪さを伺うことができる。
こういった人たちを削除しちゃうと、こんな風に歴史の文脈を読み取ることがかえって難しくなるんじゃないかな。
確かに、用語を減らすことで、教科書の歴史はスムーズに理解するもしれないけど、歴史ってそんなスイスイ行くべきものじゃないと思うよ。
それに、上杉謙信や坂本龍馬は、習う前からなんとなくしっているだろうし、改めて暗記するような人物じゃないよね。
てことは、歴史という科目を暗記から解放してくれていた人達じゃないかな。
暗記科目から脱出しようとして、かえってその尽力者を削っているように見えてしまったよ。
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教科書を変えなくても対策はできる

そもそも、大学入試のために教科書を変える、という発想が僕は受け付けないよ。
というのも、もし高校の授業が、大学入試のためだけにあるのなら、大学に行かない人、歴史の科目を受けない人にとってはなんの価値も無いってことになるよね。
でも実際はそうじゃない。大学に進学しない人でも日本史Bや世界史B(現在は歴史総合に改名)を勉強する人はいるだろう。
となると、変えるべきは教科書ではなくて大学入試なのではないかな。
少なくとも国立大の入試であれば、坂本龍馬や吉田松陰を載せずに問題を出すことができるだろう。
私立に直接圧を加えるのは難しいかもしれないけれど、国立大の入試が変わっていけば、私立も影響受けて、細かい単語を問わなくなるんじゃないかな。
まとめると、
暗記教育から脱出するために坂本龍馬や吉田松陰を教科書から消すのは、かえって暗記科目の印象を強めてしまうおそれがある。
大学入試や考査試験を工夫することで、教科書を変えなくても歴史の暗記科目化を防ぐことはできる
本日はここまでだよ。
教科書のせいで、未来の世代が無教養にならないことを願うよ(^●ω●^)
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