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イスラエルは治安が悪いが学ぶこともある-知立国家 イスラエル

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イスラエルといえば、日本では治安が良くないというイメージがあるね。

「日本と比べたらたいてい治安悪いけどね。」

とはいえ、治安が良くなくても世界の影響力が大きい国はいくつもある。

今回はそのうちの一つ、イスラエルについて、

『知立国家 イスラエル(米山伸郎)』

をもとに探ってみよう

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1.イスラエルの成長がヤバイ

1.1. 冷戦後の経済成長率は日本の8.5倍

まず、イスラエルはどんな国だろう?

どうしても、ユダヤ教、周辺諸国との軋轢というイメージがつきまとうね。

でも、この国は今、世界で一番『とんでもない』んだ。

まず、日本という国を見ていこう。

経済力を中国に抜かれてもなお世界で三番目のGDP。

また、21世紀のノーベル賞受賞者数は、アメリカに次いで2番目。

経済力だけでなく、知的能力も世界ドップクラスだね。

でも、それはなぜだろう?

実は、中国やインドほどではないけれど、日本は人口が多い

総務省の統計(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm )によると、2017年12月1日の日本の人口は1億2670万人。

面積が世界最大の国、ロシアの人口が1.44億人

GDPヨーロッパ最大のドイツの人口が0.83億人というこから、日本は先進国の中では人口の多い方だとわかるね。

逆にいえば、日本の強みは人口でまかなっている部分が大きいということだ。

1億もいれば、テキトーにやっててもそこそこの経済力になるし、天才が何人かあらわれても不思議じゃない。

でも、高齢化や、中国やインドの発展で、強みを活かせなくなってきたのが現状だね。

一方のイスラエル。マクロで見れば大したことがないように見えるけど、対人口・対GDP比でみると、次の項目が世界一になる

ノーベル科学3賞受賞者数

博士号保有者数

研究開発費

特許保有数

ベンチャー企業数

ベンチャーキャピタル投資額

起業数

技術者数

教育費

大学学位数

(米山伸郎 『知立国家 イスラエル 』より)

この国自体も変わってきている。冷戦後のイスラエル経済成長率は、174%。日本が20.5%だから、その差は圧倒的だね。

1.2.圧倒的な『個人主義』

この圧倒的な成長の原因の1つは激しい自己主張にあるよ。

ユダヤ人は必要以上に話す傾向があり自己主張も強い。しかし、それでこそアメリカ人に理解されるのです。相手側にうるさがれるほど積極的に自己主張することで、イスラエルという国がアメリカ人に受け入れられているのです。(同書)

協調性を大事にする日本人とは正反対の性格をしているね。だからこそ、世界経済の中心にあるアメリカとケミストリーが合うともいえる。

実際、日本はイスラエルを見習えと言われている。

2010年11月、在日米国商工会議所が当時の菅直人政権など政治指導者に向けて大胆な提言を行った。

その政策の中でイスラエルを取り上げ、

日本に比べると経済規模は小さいが、イスラエルの時代は日本にとって貴重な手がかりとなる。この国が成長したのは、ノウハウを学ぶため、ベンチャー・キャピタルによる海外ファンドとのパートナーシップを奨励し、ベルリンの壁が崩壊したときにソビエト連邦から大量の移民を受け入れ、その移民を素早く社会に組み込めるなど自ら再改造を成し遂げたからである。さらに、イスラエルの軍隊は類を見ない『フラット』な組織構造であり、国民皆兵と相まって、若者を起業家的な機知や柔軟性に富む自信にあふれたリーダーとして社会化し、教育したと言う発見もある。

イスラエルの目覚ましい変革の秘訣は、外国直接投資、移民、資源の再配分と統合、そして教育である。(同書)

日本政府も、今やイスラエルを見習おうとしているんだね。

2.移民と多様性

さて、もう一つイスラエルの特徴として見逃せないのは、移民の多さだよ。

2015年は30,000人を超す人々がイスラエルに移民しているよ。

日本にいて資源は人間しかいないからこれだけ移民の受け入れに積極的だと書いているよ。

2.1.移民受け入れで成功した数少ない国

でもドイツやフランスなど移民の受け入れで失敗している国はいくらでもある。

ではなぜ、イスラエルは成功しているのだろうか。

それはイスラエルという国が移民の頭脳を生かしているからだよ。

差別をされていたユダヤ人にとって自分の身を守るためには特殊な能力を身に付け、簡単には代替されない特殊な職業につくしかなかった。そのため、ユダヤ人の家庭は教育熱心で、科学者、エンジニア、医師、ピアニストなどの職業につくものが多かった。(同書)

差別されていたと言う環境の下勉強熱心になったユダヤ人の意味を登用するのはとても理にかなっていると言えるね。

当然、そういった優秀な移民を受け入れる体制も素晴らしいよ。

高学歴移民たち子、企業とイノベーションに駆り立てたのである(同書)

優秀な移民が旧来のイスラエル人の雇用奪ってしまうのを防ぐために、企業と言う選択肢を与えたんだね。

これがまた、イスラエルに企業が多い理由の1つだと思うよ。

3.「失敗を恐れない」精神

3.1.なぜユダヤ人は優秀か

ユダヤ人は優秀だとよく言われるね。でもその本質は、遺伝ではなく、環境によって生み出されるんだ。

その一つに、ユダヤ人の完璧主義と言うものがある。

日本人は改善の積み重ねによって、より軽くより薄くより小さくなど、加工技術の粋を極めるよね。

ユダヤ人の完璧主義はこれと違う。

ユダヤ人は問題の本質に迫る「なぜ?」の問いと議論を、「そこまでやるか!」と、呆れるほどに繰り返す。(同書)

とにかく深く考える。これによってユダヤ人は優秀になるんだね。

3.2.とにかく、褒める

そしてもう一つ、イスラエルの教育と日本の教育と大きく違うところがあるよ。

それは、褒めると言う点だ。

日本でも、尾木ママのように褒める教育を推奨する人はいるけれど、イスラエルではそれが徹底されている。

イスラエルでは、子供徹底して褒め、叱りません。例えば「お前は〇〇の強化がスーパースマート(特に優秀)だから、何でもなれるよ」と言ったように、良いところを根拠に褒めるのです。これは、早い時期から自信をつけさせるためです(同書)

具体的に褒めることで、子供の自尊心を育むのだね。

4.まとめ

国力の危機に瀕している日本では、イスラエルの急速な成長を魅力的である。移民の活用や教育の方法など、日本のシステムでも生かせることがある。

 

今回はここまでだよ。イスラエルの成功例を活用して日本が復活することを願っているよ(^●ω●^)

 

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